エンゼルスの大谷翔平投手(27)がまた、快挙だ。22日(日本時間23日)に本拠地アナハイムでのアスレチックス戦に「1番・DH」で出場し、初回に6試合ぶりの一発となる9号ソロを中越えに放ち、日米通算150本塁打を達成した。8回にも遊撃内野安打を放ち、2試合連続のマルチ安打をマーク。5打数2安打1打点でチームの勝利に貢献した。メジャー通算100号に続く金字塔を打ち立てたがあくまでも通過点。その視線は未来に向いている。

 衝撃弾が飛び出したのはプレーボール直後だった。相手先発は左腕アービン。昨年6月16日に敵地で435フィート(約133メートル)の特大弾を右翼席に放っている。

 1ストライクからの2球目だった。真ん中高めの75・6マイル(約122キロ)カーブをフルスイング。打球角度28度で中堅へ真っすぐに打ち上げると客席から大歓声が上がる。108・9マイル(約175キロ)のロケット弾はスタンドへ一直線。芝生で弾んだ。443フィート(約135メートル)は今季最長弾だった。先頭打者弾は今季2本目でメジャー5本目、日本での1本を合わせると通算6本目だ。

 あまりにも真っすぐに飛んだ打球に地元紙オレンジ・カウンティー・レジスターでエンゼルス番を務めているジェフ・フレッチャー記者は自身のツイッターに「大谷翔平がボールを打ったのはジョー・マドン(監督)が試合後にティーショットを打ったようなもの。フェアウエーを真っすぐ飛んでグリーンへ。それが彼の9本目の本塁打です」と投稿した。

 メジャー通算102本目、日本での48本を合わせて日米通算150号を達成。日米合わせて869試合目での到達はペースだけ見れば速いとは言えないだろう。しかし、大谷が投打の二刀流を継続していることを考えれば驚異的だ。

 8回二死、9番ベラスケスが死球で出塁したことで5打席目が回ってきた。マウンドは2番手の右腕グリム。カウント2―2からの5球目、外角低めのカーブを引っ張り、遊撃内野安打。2試合連続、今季13度目のマルチ安打をマークした。

 2回無死満塁は初球の内角チェンジアップを捉えたものの、右直。弾丸ライナーだったが、ラインドライブがかかって失速し、足の遅い三走のスズキは本塁突入を断念。飛び出した二走が戻れず、併殺打になった。4回二死無走者はカウント1―2からの5球目、内角低めのチェンジアップを強打するも一直だった。6回二死無走者は三ゴロだった。

 それにしても大谷が一発を叩き込めばチームは負けない。アーチを放てば7勝無敗と必勝神話は継続中。また、マルチ安打を記録すると12勝1敗だ。2014年以来のプレーオフ進出へ、シーズン終了まで続けたいところだ。

 毎試合、毎打席、1球ごとが即、メジャーの歴史になる大谷。日米通算150号は通過点、今後待ち受ける金字塔の一つに過ぎない。メジャー関係者、日米メディア、ファンの心を揺さぶってきた「SHO TIME」はここからが本番だ。