フリーアナウンサーの笠井信輔氏(59)が24日、ブログを更新。河瀬直美監督の東京五輪公式記録映画「東京オリンピック2020」に言及した。

 笠井氏は23日に行われた完成披露試写会で司会を担当。この映画はアスリートの視点から描いた「サイドA」、スタッフの舞台裏の苦悩を描いた「サイドB」が制作され、昨日は「サイドA」の試写会だった。

 笠井氏は「司会だったのでいち早く拝見しましたが、これは河瀬直美監督にしか作ることができないドキュメンタリーだなとつくづく感じました」と述べた上で「テレビなどでバンバン入ってくる、競技名や試合の途中経過、勝ち負け、メダルの色といった文字情報はほとんど入って来ません 河瀬監督は試合に挑んでいる選手たちそのものを描こうとしているんです」と監督独自の視点を評価した。

 具体的には「世界のアスリートの口から出てくる言葉は勝ちたいとか 優勝したいではなく より良い人生のため 子供のため 世の中のために 自分は闘うのだと言うとても共感性の高い思いでした」と、アスリートの思いが描かれている点に心を動かされたという。

 さらに「特別な場所にカメラが入ることができたスポーツダイジェスト版とは明らかに違いました それはこれまでテレビでいくらでもやってました やっぱり映画は、こうなるのだと感心してしまいました」と感銘したようで「だからでしょう、この作品は 第75回カンヌ国際映画祭のクラシック部門に選出されたんです これってすごいこと」と力説した。

 その理由として「オリンピックの公式映画がカンヌ映画祭呼ばれるのはなかなかないそうなんです 普通の感動五輪ダイジェスト映画だとやはり映画祭には、選出される事はありませんから 類まれなる作品に仕上がったと言う証だと思います」と解説している。

 河瀬監督はそのままフランスで開催中のカンヌ映画祭へと向かったという。なお、日本公開は6月3日からとなっている。