中日に何が…。中村紀洋一軍打撃コーチ(48)と波留敏夫二軍打撃コーチ(52)の配置転換発表から一夜明けた24日、立浪和義監督(52)が口を開いた。

 交流戦開幕直前、突然とも言えるコーチ入れ替えに、球界はザワザワ…。球団サイドは「監督の判断です」と話したのみだったため、ファンの間では「何があったのか」と心配の声も広がっていた。

 今回の人事に関する狙いや意図は何だったのか。今季ワースト6連敗を喫した試合後、報道陣から問われた立浪監督は「意図というか、自分はだいたいのことは説明するんですけど…」と前置きした上で「これは内輪の話で、別に何か(中村)ノリに問題があったわけでも何でもない。今回はあえてコメントは差し控えさせてもらいます」とコメント。質問には常に明快に答える指揮官にしては、珍しく歯切れが悪かった。

 結局、事の真相については分からずじまい。ただ、今回の件とは直接関係はないものの、今年2月のキャンプ中には立浪監督が中村紀コーチに対し、周囲が驚くほど声を荒らげた一幕があった。

 沖縄キャンプ後半のことだ。期待の石川昂弥内野手(20)の調子が上がらず、コーチ陣に対しては「しばらく本人に任せて様子をみよう」という指示が出ていた。ところが、昨秋から熱心に石川昂を指導してきた中村紀コーチがつい打撃指導を行っているところを、巡回中の指揮官が見つけてしまったのだ。

 激怒した立浪監督は「おい、ノリ! 教えるなと言ったやろ!」と一喝。あまりのけんまくに周囲にいた選手やスタッフは凍り付いた。

 とはいえ、キャンプ中の出来事を今回の件と結びつけるのは早計だろう。はっきり言えるのは、立浪監督も中村紀コーチも野球には人一倍熱心な人物ということ。現在も何とかチームを勝たせたい、選手を育てたい一心でやっているのは間違いない。

「今回はあえて…」と言葉を絞った立浪監督の表情からは、チームを前に進めたい強い思いが伝わってきた。勝負どころの交流戦。まずはどんな変化が表れるのか注目したい。