フェンシング女子サーブル東京五輪代表で日本勢初となるW杯優勝を果たした江村美咲(23=立飛ホールディングス)が、〝2大目標〟を掲げた。

 25日は都内で開かれた所属先の報奨金授与式に出席。今月のチュニジア大会を制し、同種目初の快挙に100万円が贈られた江村は「(結果を残すとができて)うれしい。日頃からお世話になっている立飛ホールディングスのみなさんに恩返しじゃないですけど、何か返せたのかなと思います」と感謝を述べた。ただ、現状に満足しているわけではなく「まだまだ未熟なところも見つかったし、それ(メダルを取って)から全く勝てなくなる選手も見て来ているので、パリに向けて勝ち続けることが大事になってくる」と気を引き締めた。

 昨夏の東京五輪は団体5位。日本として過去最高の成績を残した一方、男子エペ団体が初の金メダルを獲得するなど喜びと悔しさを同時に味わった。その後、江村は「自分では認めたくなかったけど、燃え尽き症候群のようなものがあった」と、競技の楽しさを見失った時期があるという。

 それでも昨年末に同社の村山正道社長に「話を聞いてもらったり、アドバイスをいただいてスッキリした」。本社を構える東京・立川市内の焼肉店に連れられ、好物のホルモンに舌鼓を打ちながら言葉を交わし、再び前を向いた。

 また、今年1月から3月まで海外に長期遠征したことで「ストレスがたまって…」と振り返る江村は金髪に染めて今大会を迎えていた。実は「ここまで明るくしたのは初めて」だと言い、その理由については「気分転換しようと思ったときにちょっとやそっとの色じゃ満足できないというか(笑い)。何かをガラッと変えたいと思ってここまでの色にしました」と〝イメチェン〟の舞台裏を明かした。

 現在世界ランキング3位の江村は「次の目標は1位」ときっぱり。さらに2年後のパリ五輪に向けて「サーブルとしても女子としてもメダルはない。まだ人がやったことないことに挑戦したいので、その初が私たちでありたい」と日本初のメダル獲得を誓った。