WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29=大橋)が25日、WBC同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)との3団体統一戦(6月7日、さいたまスーパーアリーナ)へ向け、同ジムで公開練習を行った。

 この日はシャドーボクシング、サンドバッグ打ち、リング内での長めのミット打ちなど約1時間45分の練習。現状について「もう2週間切って、いよいよなので。自分の中でも、もうようやくここまで来たなという心境ですね。コンディションもうまく仕上がっていると思います」と充実ぶりを見せた。

 今回は2019年11月のWBSSバンタム級トーナメント決勝(井上の判定勝ち)以来の再戦。2ラウンド目にドネアの強烈な左フックを浴びて右目眼窩底骨折したモンスターは「アクシデントとは思っていないです。あれはドネアの実力で当ててきたパンチなので。それで自分の不注意さとフェイントにかかってしまったところはある」と振り返ったうえで「第1戦でドラマにしてしまったという自分の誤算がありますけれど。今回はそういう試合にならないと思う。ここでスッキリとした内容で勝ちたいと思います」と話した。

 日本ボクシング界の大きな夢も背負う。目の前に迫った一戦へ向けて「日本人初の3団体統一を懸けて戦えるのは一種の運命だと感じています」というモンスター。将来的なビジョンを「自分としてはバンタム級での4団体統一をまずは優先に考えていきたいです」「この先、4団体統一、4階級制覇するための試合だと思って臨みます」と明かした。

 この試合にはWBO世界バンタム級王者のポール・バトラー(英国)も来場予定。「夢」のカギを握る男の前で圧勝するつもりだ。