巨人の原辰徳監督(63)が5―3で勝利した25日のオリックス戦(東京ドーム)後、先発するも5回97球を投げ3失点で降板となった2年目右腕・山崎伊織投手(23)について言及した。

 今季3勝目をかけて登板した山崎伊。初回に2点こそ失ったものの、その後はしっかりと立て直して2回から4回まで三者凡退に抑える圧巻の投球を披露。このまま快投が続くかに思われたが、1点リードの5回二死一、三塁から宗に痛恨の適時打を浴びて同点に…。ここまでひょうひょうとしていた右腕が珍しく悔し気な表情を浮かべ、この回限りでマウンドを降りることとなった。

 この経験を糧とすることができるか。原監督は「(降板理由は)少し球数が多いというのはありますね。もう1人というね。2アウト取ってね、山口投手コーチもマウンドに行ったんですけれども、まあなかなかやっぱりプロの世界というのはね、甘いものではないなと。いい勉強になったというふうに思います」と、右腕の投球内容を回顧。

 成長途上の期待の若手投手という事もあり、この悔しさを肥やしとすることができるかが今後のカギとなる。「(本来は)そのまま伊織が(勝ちパターンに)バトンを渡すというね。プロの世界はそう簡単じゃないというところが分かったんじゃないでしょうかね。でも最後は勝った形で(9回に)大勢に渡せたというのは良かったと思いますね」。

 この日は勝ち星こそつかなかったが、これで4戦連続で5回以上を投げ、失点も3点以内に抑えるなどゲームメークはしっかりと果たせるようになった山崎伊。防御率も2・88と、先発投手陣の中ではメルセデスに次ぐ安定した成績を誇っている。右腕自身は「リードを守り切れず悔しいです」と感情をあらわにしたが、次戦以降の飛躍に向けて大きな踏み台となるはずだ。