阪神は25日の楽天戦(甲子園)に1―6で敗れ連勝は3でストップ。セ・最下位に沈むチームは両リーグ最速で30敗に到達した。

 投打ともに精彩を欠いた完敗劇の中、せめてもの救いは岩崎優投手(30)、湯浅京己投手(22)ら勝ちパターン継投陣につかの間の「休日」を与えることができたという点だろうか。

 5月11日の広島戦(甲子園)まで11戦連続無失点と〝無双モード〟で最終回のマウンド死守してきた守護神・岩崎は、17日のヤクルト戦(神宮)で今季初の救援失敗を喫すると、その後はやや不安定な投球が続く。直近5シーズン合計で278試合に救援登板している左腕だけに、蓄積疲労も当然あるのだろう。

 ブルペンを預かる金村投手コーチも「できることなら(岩崎)優はシーズン50試合登板程度にとどめたい。彼の負担を少なくするためにも、ブルペンの戦力を可能な限り厚くしたい」と、開幕前に構想を語っていた。

 開幕から2か月。49試合を消化し疲労も顔をのぞかせてくる時期だ。岩崎は昨季も5月下旬ごろからコンディションを落とし始め6月4日に登録を抹消。ファームで約2週間の「オーバーホール期間」を経て一軍へ再昇格するとその後は調子を取り戻し、東京五輪での日本代表としての活躍、そしてシーズン完走につなげた。

 球団OBも「状況によっては守護神の座を一時的に湯浅に譲るなどし、岩崎の負担を軽減させることも今後は必要になってくるだろう。チームの将来を考えれば22歳と若い湯浅に今のうちに9回のマウンドを経験させることは絶対にプラスになる」と提言。ここまで13戦連続で無失点投球を継続する湯浅は、防御率0・93と絶好調。「十分な能力があることはすでに証明している。最終回のマウンドを背負う重みを『経験』させることは、彼自身の成長にもつながる」(前出のOB)。

 打力に乏しいチーム事情もあり、矢野阪神の生命線ともいえる中継ぎ陣のコンディション管理は、シーズンを通しての重要なテーマ。22歳の若き守護神は果たして誕生するのか、注目したい。