俳優の井之脇海(26)と寺脇康文(60)が26日、大阪市内で舞台「エレファント・ソング」(28日、クールジャパン大阪TTホール)の取材会を開催した。

 精神科医の失踪の謎をめぐり、寺脇演じる病院長のグリーンバーグに、井之脇演じる患者のマイケルが緊張感あふれるゲームを仕掛ける。

 井之脇は役どころについて、「セリフの量が多くてエグいな、と。内容云々の前にこれをやるんだと腹をくくらないといけなかった」と振り返りながら、「マイケルの真意は序盤は分からなかったけど、彼の方針や境遇がわかっていくにつれて、それが繋がっていったり、彼の言葉の裏にはこんな悲しいものがあったというのが分かって、僕たちが普段、当たり前だと思っている『愛し愛される』っていうのを考え直させられた」と語った。

 すでに東京、名古屋公演が終わり、残すは大阪公演のみ。寺脇が「2度ほど、セリフが全然出てこない時があった。『もうダメだ、出てこない』って、海ちゃんを潤んだ目で見ながら時計をずっと触ってました」とハプニングがあったことを明かすと、井之脇は「権威主義のグリーンバーグ先生が子犬のような目をして、『これはピンチなんだな』って思いました。でも、そこから新しい反応でどんどん芝居が乗っかっていけたんで新鮮で楽しかったです」と笑って受け止めていた。