落語家の三遊亭好吉改め、好一郎(35)が26日、都内で真打ち昇進披露記者会見を行った。

 好一郎は、三遊亭好楽の4番弟子。1986年に熊本県で生まれ、大学を卒業後、2009年に入門した。

 好一郎は「コロナ禍で2年。何をやっていいのかもがきながら、師匠のおかげで真打ちにあいなりました」と感謝。その上で「これからも精進して、同じ型、同じ話を聞いてもおもしろい、噺(はなし)家になりたい」と抱負を語った。

 異色の経歴の持ち主だ。神戸大理学部物理学科を卒業後に落語の門をたたいた。大学院進学も決まっていたが、落語のビデオを見て「こんな面白い世界があるんだ」と方針転換した。

「液体ヘリウムを扱う超電導の研究室にいました。落語に役に立っている? 今のところ、まったくないです(笑い)」

 この日、師匠の好楽も同席。好一郎の長所を問われると「コツコツと勉強するところ、いろいろな人に『良い子』とかわいがってもらえるところです。師匠としてもうれしいですね」と目を細めた。

 来月1日からは真打ち昇進披露興行がスタート。噺家としてこれからが本番だ。