中日・立浪和義監督(52)が断行したテコ入れ策にチーム内外から賛否両論の声が巻き起こっている。

 交流戦開幕直前となる23日に中村紀洋打撃コーチ(48)を二軍に、波留敏夫打撃コーチを一軍に配置転換。その理由について指揮官は「これは内輪の話で、別に何か(中村)ノリに問題があったわけでも何でもない。今回はあえてコメントは差し控えさせてもらいます」と話すにとどめている。

 チームが連敗中で、打線が湿っていたこともあり、今回の判断を好意的に捉える声がある。チーム関係者は「立浪監督はよく決断したと思う。シーズン途中に打撃コーチのテコ入れはやろうと思ってもかなり勇気が必要でなかなかできることではない」と指摘。その上で「与田前監督のときも貧打で得点力不足が深刻だったのに村上、栗原、パウエルの打撃コーチを結局、シーズン最後までテコ入れすることはできなかった。与田監督はやさしい性格だったからだと思うが、その反面で立浪監督は勝利のためなら非情にもなれるのは強み。これでチームの雰囲気や流れが変わると思うよ」と期待している。

 一方で、あるOBは「立浪監督はよくやっているけど、今は我慢が必要なときじゃないか。チームの調子が悪いときにコーチの入れ替えをやると『何かあったんじゃないか』とみんなが思ってしまう」とマイナスに働くことを危惧すれば、別のチーム関係者も「まだ開幕して2か月しかたっていないのにちょっとバタバタし過ぎでは。打てないとか、何だかんだと言っても昨季までよりチーム打率、本塁打とも上回っているんだからデーンと構えていた方が良かったのに」と苦言を呈した。

 26日の西武戦(バンテリン)に6―3で勝ち、連敗は7でストップ。球界最年長の福留も今季26打席目にして初安打がついに出た。今回の配置転換で賛否の声こそあるが、立浪竜は今後も結果で周囲を認めさせるしかない。