ロックの神様ボブ・ディランが、初期の代表曲「風に吹かれて」を新オーディオ・フォーマットで再録音。ロンドンのオークションハウス「クリスティーズ」で7月7日からオークションにかけられることになった。26日(日本時間27日)に米「ピッチフォーク」などが報じた。

 今回の再録音は、ディランの盟友でもある名プロデューサーのTボーン・バネットが立ち上げた高音質の新たなアナログ・オーディオ・フォーマット「アイオニック・オリジナル」のために行われた。「アイオニック・オリジナル」はアナログ盤において70年来の飛躍的進歩を遂げているとされており、バネットは4月に同ユニットについて「アイオニック・オリジナルズは音源録音の最高峰だ。保管クオリティーで、未来に約束された唯一無二のものになっている。絵画に匹敵するだけでなく、絵画そのものと言っていい」と語っている。

 具体的にはアルミの円盤にラッカーを塗って、螺旋状に音楽を刻んでいく。溝に針を合わせて回転させることで収録された音楽を聴くという。

 今回は1963年のセカンドアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」に収録された名曲「風に吹かれて」が再録音されたが「アイオニック・オリジナルズ」フォーマットの原盤ディスクは世界で唯一しか存在しない貴重なものとなる。

 落札予想価格は60万ポンド(約9600万円)から100万ポンド(約1億6000万円)となっている。今後、同形式によるディスクが新たな市場を開拓していくのか注目だ。