中日・鈴木博志投手(25)が昨季の沢村賞を獲得した日本を代表するエース、オリックス・山本由伸投手(23)と堂々の投げ合いを見せた。

 28日のオリックス戦(京セラ)でプロ5年目、通算103試合目にして初先発し、毎回走者を出しならも5回を4安打無失点と好投を披露。勝ち投手の権利を持って降板したが、7回にリリーフ陣が追いつかれて白星はお預けとなった。

 それでも150キロ超の直球にツーシームやカットボールなどの変化球とのコンビネーションでオリックス打線にホームを踏ませなかった。内角も強気に攻めて「左バッターの内角へツーシームを投げる練習もファームでしてきた。一軍の大舞台の大事なところでしっかりイメージしたようなボールが投げられので良かった」と安堵の表情を浮かべる。

 昨季パ・リーグの投手4冠に輝いた球界を代表する山本との投げ合いについて「意識して投げることはなかったですけど、開き直り、吹っ切れて投げられた部分はある。僕なんて先発ピッチャーとしてぺーぺー。そんな一流のピッチャーと投げられるだけでも、うれしいこと。特にそんな意識することはなかった」とケロリ。

 立浪監督は「持ち味の真っすぐがちょっとスライドするボールを(ストライクゾーンの)中で強気に攻められたのかなと思うし、5回のピンチもよく抑えてくれたし、本当は6回、ちょっと迷ったんですけど、ウチは後ろもいるんので、何とかまず一つ勝たせてやりたいという、そういう思いで今日は5回で代えた。次から6回、7回と段階を踏んでいけるように、球に力がある投手ですから、やっていってもらいたい」と期待を寄せた。