〝氷上の哲学者〟の考えは――。平昌五輪スピードスケート女子500メートル金メダルの小平奈緒(36=相沢病院)が29日までに自身のツイッターを更新し、文武両道について持論をつづった。

 学生時代はスケートと並行し、勉学にも熱心に取り組んだ。高校卒業時には実業団からの誘いを断り、信州大に進学して教員免許を取得するなど、文武両道を実践してきた。そんな中「勉強とスポーツの両立について」と書き出した上で「昔のこと過ぎて思い出せなかったけど、どこにそんな集中力があったんだろうっていうくらいの変な勢いみたいなのあったなあ。毎日締切迫っている的な日常。時間の使い方とは言ったものの、結局はそれぞれのライフスタイルの中で、自分で見つけていくのがいいのかな」と回想した。

 とはいえ、どちらにも全神経を注ぐことは簡単なことではない。「24時間を割り振って、できることを片っ端からやっていくしかないと勢いでやれたこともよかったけど、『時間がかかることには、時間をかければいい』。そう言ってもらった時は、焦りとか不安とか一気に消えて、じっくりコツコツやってみようと足元を見られたのはよかったな」と当時の葛藤も明かした。

 4月の会見で「10月の全日本距離別選手権を競技人生のラストレースにします」と宣言した小平は「10月まではアスリートとしてトレーニングをしながら、地域講演会やイベントに参加したい」と意向を示しており、自らの学びを積極的に発信している。