夏の参院選に日本維新の会から比例代表で出馬を表明している作家で、元都知事の猪瀬直樹氏(75)が29日、ツイッターを更新し、維新や橋下徹元大阪市長へのアンチが多い現状を分析した。

 猪瀬氏が維新から出馬することに批判の声も多い中、猪瀬氏は「東京の人間(関東圏)には『維新嫌い』がけっこういます。僕の友人にも少なからずいます。ただし、なぜか、と訊いてみると確たる答えもない。大阪都構想についても関心がないしその意義についてもまったく無知です」と明確な維新が嫌いな理由を持ち合わせていないと指摘する。

 維新の創業者である橋下氏へのアンチにも言及する。「橋下嫌いも多いが、これも印象で気に食わないヤツというぐらいです。概して先入観の囚われ人です。結局、ものごとの本質に近づかず、気分なのです。しかしそれでよいのかといえばよくないのは自明でしょう」

 そのうえで猪瀬氏はアンチ維新、橋下氏の背景について「東京から関西を一段と低く見る差別感が無意識に侵入しているからです。もう少し突きつめると、他者を馴染めない異物として捉える嫌中嫌韓に近い感情にもつながっている」と分析。

 続けて、「申し分のない政党などありません。大切なのは、いま日本を動かす場合、岸田長期政権をどう揺さぶり改革をすすめるか、そのためのテコを探すしかない、これはセンスの問題だ。テコの原理は、その支点・力点・作用点を解析してもっとも有効なポイントを探すことにあります」と指摘した。

 自身の著作「昭和16年夏の敗戦」からの教訓として、「その人の感情はその人のものだから一概に否定しないが、政治行動から情緒を遠ざけることが重要でファクトとロジックによる客観性を踏まえておきたいですね」と結んだ。