大相撲の元関脇安美錦の安治川親方(43)が29日に東京・両国国技館で引退相撲を行った。断髪式には弟弟子の横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)、落語家の笑福亭鶴瓶ら350人が参加。そんな最後の大銀杏姿をあるサッカークラブが目に焼き付けていた。

 関東サッカーリーグ1部で横浜市に拠点を置くエスペランサSCはこれまでにプロ選手を輩出した実績だけでなく、自らもJFL、さらにはJ3昇格を目標に掲げる。また、指揮をとる元アルゼンチン代表のオルテガ・ホルヘ・アルベルト監督は同国の英雄ディエゴ・マラドーナ氏(故人)とプレーした経験を持つ。

 クラブのトレーナーが伊勢ヶ浜部屋も担当していることがきっかけで、この日は選手、関係者が国技館を訪れ、指揮官は安治川親方にはさみを入れた。

 その後は第73代横綱にちなんで照ノ富士に背番号「73」のユニホームをプレゼントするなど交流した。同クラブは「(元大関魁皇に並ぶ)関取在位117場所で歴代1位タイの元安美錦関の断髪式に参加させていただき大変光栄です。また、大きなケガを乗り越えて結果を残し、横綱に昇進した照ノ富士関からもパワーをいただきました。私たちもまずはJFLを目指して頑張りたいと思います」とコメント。親方や横綱の存在が競技の垣根を越えて刺激を与えている。