女優恒松祐里(23)が映画「きさらぎ駅」(永江二朗監督、6月3日公開)で映画初主演を務める。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。

恒松は、19年の映画「凪待ち」で、おおさかシネマフェスティバル2020の新人女優賞を受賞。その後、21年の「全裸監督season2」でのヒロインや、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」など、話題作への出演がつきない。だがデビュー作は、2005年の「瑠璃の島」。子役として活動していた。

「小学校に入る前の7歳くらいの時に、両親が今の事務所(アミューズ)が子役を応募しているのを見つけて、それに応募したら受かったという感じですね。両親が応募したので、私はほとんど記憶がなくて、いつの間にか入っていて、いつの間にかレッスンしていたみたいな(笑い)」

05年のデビューから数えると、今年で芸歴18年目にもなる。

「子どものころ、お芝居のレッスンとか月2回くらいやっていたんですけど、それでも辞めていないのは楽しいからずっと続けてきていて。そうやって、子どものころからお芝居を楽しいと思っていることはずっと変わらず、今もこうやって仕事にできているのは、たまたまかもしれないですけど、この仕事のきっかけを作ってくれた両親にはすごく感謝だなって思っています。ちょうど自分の好きな事に、子どもの頃に出会えてよかったなって思っています」

子役から活躍している恒松にとって、大人すぎてしまう点など、大変だったことは多々あった。

「子役のときからお芝居をやっていて。子役をやっていたっていうのもあって、良い意味でいい子すぎちゃったり。返した方が良い言葉とかが分かってしまう、大人になりすぎてしまった幼少期を過ごしちゃったのもあって、なかなか自分の感情に対して素直になるのが難しかったんです…。10代後半くらいからその問題と向き合うようになって、自分の感情に素直に生きていけるようになったので、その頃に出演した(18年の映画)「虹色デイズ」だったり、そのころに受けていたお芝居のレッスンが、すごく自分の中では大変でした。それを乗り越えたおかげで、今は自分らしい自分がいるから大切ではあったんですけどね」

“壁”を突破したおかげで、今の自分は「好きになれた」という。

「より自分の感情に対して向き合う、より素直になることで、役としてその感情に向き合えるようになりました。すごくこの女優を続けていく上でも、大切な時期だったのかなって思いますね」

いずれは、海外の作品に出演したいという夢を持つ。

「『クリミナル・マインド』『マーベルシリーズ』とか、いろいろ海外の作品が大好きなんですよね。海外作品に出るのは、本当に子どものころからの夢なので、今も英語でお芝居する練習もしています。子どものころから海外作品を見ながら育ってきたので、その作品の世界に入りたいなって思っています」

日本でも、いろんな作品に引っ張りだこだ。映像作品以外にも、7月からは舞台「ザ・ウェルキン」に出演する。

「今年はまだ5月ですけど、映画やドラマ、事務所の女優さんが集まった『ハンサムウーマンライブ』だったり、いろんな作品を経験させていただいて。夏には舞台をやらせてもらいます。表現の仕方って全部違うんですけど、それを全部いろいろやらせてもらう中で、自分の得意、不得意を見つけていったり、自分の帰る場所、『ホームはこのジャンルだな』っていうのを見つけていって、そこを深めていったり。自分の居場所を見つける年にしたいなって思っています」【佐藤勝亮】