快挙達成へ大きく前進だ! 新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」Aブロック公式戦(29日、大田区)で、IWGPジュニアヘビー級王者の石森太二(39)がフランシスコ・アキラ(22)を下し6勝目。2013年大会のプリンス・デヴィット(現フィン・ベイラー)以来、9年ぶりとなる王者でのリーグ戦制覇へ突き進む男は〝ある野望〟を秘めている。

 王者の貫禄だった。アキラのファイヤーボール(変型ダブルニー)にカウンターのラリアートを炸裂させた石森は、両ヒザを腹部に突き立てるサイファーウタキを発射。最後はブラディークロス(変型フェースバスター)で3カウントを奪い、Aブロック単独首位に立った。

 前年度覇者・高橋ヒロムとの最終公式戦(31日、富山)に引き分け以上で優勝決定戦(6月3日、東京・日本武道館)に進出する。「象徴でしょ、アイツは。ベルトを持っていても持っていなくても確立しているから、新日本での地位も。そういう常識をぶち壊すのが俺。好き勝手にはさせねえよ」と、3連覇阻止と自身の初優勝を誓う。

 IWGPジュニア王者でのBOSJ制覇を達成すれば、発言権は一気に増す。9年前のデヴィットは優勝後にIWGPヘビー級王座に挑戦したが、石森には別の青写真がある。

「去年やって負けてるリオ・ラッシュだったり、エース・オースティンとXディビジョンとの2冠統一戦やってもいいし、(エル)ファンタズモとタイトルマッチをやってもいい。俺が優勝したほうが、いろいろ夢が広がると思うんだよ。ファンが求めてるジュニアの最高峰を本当に見れると思う」と防衛ロードの構想を明かした。

 さらに虎視眈々と見据える「ドリームマッチ」もある。新日本は6月26日(日本時間27日)にイリノイ州シカゴでAEWとの合同興行を控える。「いい連中がいるじゃん。ジュニアじゃないけど、やっぱり見ちゃうのはダニエル・ブライアン(現ブライアン・ダニエルソン)。昔戦ってインスパイアされた部分があるから。俺が王者であれば、そういうことも主張できると思う」と、ノア時代に激闘を繰り広げたスーパースターとの〝再会〟も熱望した。

「向こうは無差別ってイメージ。AEWに行けばそういう戦いもできる。ドリームマッチという意味ではダニエル・ブライアンもそうだし、カイル・オライリーはやったことないし、いくらでもあるだろうなって」。BOSJとの〝2冠〟は、新たな夢の第一歩にすぎない。