タレントの矢部美穂(44)が30日、自身のブログなどを更新し、26日に川崎競馬所属の山林堂信彦騎手(43)と結婚したことを発表した。交際期間は約2年。矢部が馬主の馬に山林堂が騎乗したことがきっかけで、まさに馬が結びつけた縁となった。

取材に応じた矢部は山林堂との出会いを赤裸々に語った。運命の馬となったのは通算27戦13勝を挙げて20年5月に引退した鹿毛(かげ)の牡馬、ブースター。18年9月から19年6月まで地方競馬で9連勝するなど勢いに乗っていた馬のオーナーを19年末に引き継いだことが運命の始まりだった。

矢部は父和夫さんが元地方競馬騎手だったことなどもあって公営競技に詳しく、19年に地方競馬の馬主資格も取得。それでも当初は山林堂についてあまり知らなかったという。ブースターの馬主となった際もそれまで同馬で7勝を挙げていた山林堂から「チェンジしようとしていた」というが、周囲の助言もあり継続を決めた。

その後もブースターの活躍は続き、20年1月と3月に2勝を挙げて同5月に引退。出走する競馬場が変わるなど環境の変化に繊細だった馬をコントロールしながら結果を残す山林堂の姿をそばで見るうちに信頼関係も深まり、その後も他の馬を任せるようになっていった。矢部は「当時は『この人好き!』とかはなかったけど、あのあたりで距離が縮まったのは確かですね」と振り返った。

ほどなくして交際が始まり、結婚も強く意識するようになった。競馬界のルールで馬主を継続できないことから、オーナーを母に託すなど準備を進め、今年5月26日に川崎市内の区役所に婚姻届を提出。同日朝には仕事を終えた山林堂から花束を渡され「結婚して下さい」とあらためてプロポーズも受けた。9月には都内で挙式も行う予定だ。

矢部は「白馬に乗った王子様はどこかにいると思っていましたが、本当に現れたので信じるものは救われると思いました」と語り「実際は白馬ではなく鹿毛(かげ)馬にはなりますけどね」と笑った。山林堂は31日に浦和競馬場で行われる第8R「C1(五)」で矢部の母親へ馬主が変わったばかりのディーレクタに騎乗予定。「母名義に変わりましたけど、私も変わらず応援しています」と結婚後初勝利を期待した。

 

 

 

 

 

 

◆矢部美穂(やべ・みほ)1977年(昭52)6月7日、北海道生まれ。92年に雑誌コンテストでグランプリを受賞し16歳でデビューし、グラビア、ドラマ、バラエティー番組などで活躍。中央競馬では日刊スポーツにコラムを掲載したこともある。東京・池尻でバーYABEKEを経営。19年に地方競馬の馬主資格を取得した。趣味はゴルフ、料理。身長156センチ、血液型A。

 

 

◆山林堂信彦(さんりんどう・のぶひこ)1978年(昭53)8月10日、神奈川県生まれ。97年4月19日デビュー、同年7月5日初勝利。地方通算4400戦206勝(29日現在)。重賞は19年盛岡のOROターフスプリント(M2)の1勝。神奈川県騎手会所属。勝負服は銅白・桃山形一文字、そで青。「山林堂」という名字のルーツは福島・二本松市。