米俳優トム・クルーズ(59)主演の最新作として、27日に公開(全国381館、745スクリーン)された「トップガン マーヴェリック」(ジョセフ・コシンスキー監督)が28、29日の週末2日間で興行収入(興収)8億2471万1300円、動員52万4843人、初日からの3日間では興収11億5756万4620円、動員74万7192人を記録した。配給の東和ピクチャーズが30日、発表した。

封切り3日間での興収11億円突破は、クルーズの主演映画では18年8月公開の「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」の8億6830万1500円を、3億円近くも上回る大ヒットスタートとなった。今年公開の映画でも「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」の10億5573万3460円、「シン・ウルトラマン」の9億9341万50円を上回った。

初日の27日は、平日にもかかわらず全国の劇場で満席が続出。スカイ・アクションをはじめとしたリアルにこだわった映像の臨場感と迫力を体感できるラージフォーマット(IMAX、4D、Screen Xなど)が高稼働を見せ、地方の興行収入比率が67.8%と非常に高い数値を記録し、都心比率が高くなることの多い洋画大作の傾向を打ち破り、日本全国に広がる社会現象級ヒットになった。

クルーズは、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーを伴い、18年7月の「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」のプロモーション以来、3年10カ月ぶり24回目の来日を果たし、23日に都内で会見、24日には横浜港大さん橋でジャパンプレミアを行った。その中で「多くのファンに何十年も続編を求められたが、準備が出来ていなかった。観客に戦闘機の操縦席に座っているように感じてもらう、感情的な作品…全ての要素がそろう、正しいところ(時期)を見いだしたかった。単に映画を作るわけじゃない。限界を超える何かが、もっと出来るんじゃないかと思い、作った」と、出世作となった86年の前作に続き、ブラッカイマー氏とタッグを組んで続編を世に送り出すのに、36年かかった理由を説明した。

クルーズは自分だけでなく共演陣も飛行中の戦闘機内で演技できるよう、3カ月のトレーニングメニューを組んだ。操縦席には今作のために作られたIMAXカメラ6台を仕掛け撮影などリアルにこだわり尽くし、19年公開の予定が製作の都合で20年に延期された。

20年には全世界がコロナ禍に見舞われ公開が2年、さらに延期された。クルーズは「(公開を)2年、待つことになった。でも今日のような時代だからこそ、ご覧になった皆さんに笑顔で楽しくなって欲しい。大きなスクリーンで見てもらいたい」と呼び掛けた。熱いメッセージを送って、愛する日本を後にしたクルーズだけに、今回の大ヒットスタートで“有言実行”した格好だ。

クルーズはジャパンプレミアで、代表作の1つ「ミッション:インポッシブル」シリーズの第7作目「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(23年公開)と2部作となる第8作(米国での公開は24年6月28日を予定)を引っ提げての再来日を宣言。「来年の夏『ミッション:インポッシブル デッド・レコニング』で必ず戻ってきますし、またその翌年も戻ってきます」と「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」を2部作を引っ提げての、2年連続の再来日を誓っている。