変幻自在な演技力で話題を集める女優・恒松祐里(23)が、6月3日公開の「きさらぎ駅」で映画初主演を飾る。ドラマ「全裸監督シーズン2」で妖艶なヒロインを演じた恒松は、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」では主人公モネの天真らんまんな幼なじみ役を熱演。さらに念願の主演映画は、“現代版・神隠し”と言われる都市伝説「きさらぎ駅」が題材だ。取材中は笑顔を絶やさず、撮影ではクールな表情…。取材でも変幻自在な姿を見せた、注目の若手女優を直撃――。

 ――同作はインターネット掲示板「2ちゃんねる」発の“都市伝説”をもとに映画化。恒松さんは、異世界にある「きさらぎ駅」の謎を追う大学生・堤春奈を演じた

 恒松 掲示板を見てから台本を読んで、内容が本当にリアルで不思議に感じました。
 ――初主演ですね

 恒松 台本をいただいて「主演です」と聞いた時、ビックリしたのと同時についに主演をやらせてもらえるんだと、うれしさを感じました。私の中のラッキーナンバーが22で、22歳までに初主演映画をやるって決めていて。23歳になる誕生日の2日前から撮影が始まったんです。ギリギリのタイミングで夢がかなって、これこそ都市伝説みたいだ、と!(笑い)。

 ――怖い話や都市伝説は信じる方?

 恒松 私自身は信じないようにしている方だと思います。信じると、私の仕事の影響もあるかもしれないですけど、現実に起きてしまう気がして…。怖い話を聞いてもその場では楽しむんですけど、すぐに忘れるようにしています。ラッキーナンバー「22」だけは私の中で都市伝説のように信じてます(笑い)。

 ――演じた堤春奈は卒論テーマが「神隠し」。好奇心が旺盛な大学生

 恒松 役のためにホラー作品を見ようと努力したんですけど、ホラーが得意ではなくて。途中まで見て、ムリ!って断念しました。でも、この作品はホラーの要素だけじゃなくて、人間の葛藤が描かれてたり、いろんな教えも入ってると思います。好奇心がありすぎると危ないとか、結局人は偽善者になってしまうのか、とか。それにコメディーテイストな展開もあるんですけど、すごくお気に入り。私の驚いた顔も面白くて、自分で見て笑っちゃいました。「きさらぎ駅」をお化け屋敷に行くような気持ちで体感してもらえると思います。

 ――現場で印象に残ってることは

 恒松 23歳の誕生日当日、新浜松駅で電車の中での撮影だったんです。お昼休憩前にサプライズでホールケーキが運ばれてきて。皆さんからプレゼントをいただいたり、電車の中でお祝いされる経験も初めてですごく印象深かったです!

 ――「おかえりモネ」や「全裸監督2」など演じる役の幅が本当に広い

 恒松 宇宙人を演じたこともありますから(笑い)。いろんな役を演じるのは子供のころから好きで、いろんな現場でお芝居させていただくことも好きで、いい経験にもなってますね。やっぱり現場ごとに作品や撮り方、雰囲気も違うので、すごく勉強になります。

 ――恒松さん自身も好奇心旺盛で、どんな役への挑戦も決めている?

 恒松 マネジャーさんたちに任せてます(笑い)。でもオーディション時は絶対やりたい!と思って臨むと、受かったりしますね。本当に全部が恵まれた縁で出会えている作品と感じています。

 ――演じてみたい役は

 恒松 最近はいい子の役が多いので、悪女をやりたいです。私に来る役はちょっと変わってる役が多かったりするので、いま悪女を演じたら、どうなるのかなって興味があります。

 ――最後に

 恒松 私みたいなホラーが苦手な方でも絶対に楽しめる作品です。エンドロールまでお楽しみが待っているので、ぜひ最後までご覧ください!

 ☆つねまつ・ゆり 1998年10月9日生まれ、東京都出身。2005年、日本テレビ系のドラマ「瑠璃の島」で子役としてデビュー後、ドラマや映画で多数の話題作に出演。「凪待ち」(19年)で「おおさかシネマフェスティバル2020」で新人女優賞を受賞。15年の「まれ」に続き、出演したNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(21年)では、清原果耶演じたヒロインの幼なじみ・野村朝日美を演じた。「全裸監督シーズン2」(21年)のヒロイン役では、体当たりの演技で注目を集めた。