前人未到の偉業へあと一歩と迫った。新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」Aブロック最終公式戦(31日、富山)、高橋ヒロム(32)がIWGPジュニアヘビー級王者の石森太二(39)を破り、優勝決定戦(6月3日、東京・日本武道館)進出を決めた。

 ブロック突破には勝利しか許されない状況のヒロムだったが、ゴングと同時にドロップキックの奇襲を受け、いきなりペースを握られる。場外鉄柱、マットを外した金具むき出しのコーナーに左肩から激突させられ、苦悶の表情を浮かべた。

 だが、ヒロムも必殺のD(変型三角絞め)を狙い続け、徐々に石森を追い込んでいく。最後はスタナーから再びDで捕獲。必死に逃れるようとする石森を放さず、意識を失ったところでレフェリーが試合を止めた。

 これで勝ち点12で石森と並んだが、直接対決の優劣でヒロムの突破が決定。試合後のバックステージでは「あと1試合ある喜び、他の選手には分からないだろうな。でも、最後の1試合ってのは、今までと気持ちが全く違うんだ」とした上で「とにかく3連覇、4度目の優勝は必ず俺がしたいんだ。そう、俺がしなきゃいけない」と自らに言い聞かせるように口にした。ジュニアの祭典に新たな歴史を刻む。