ZARDの名曲「Forever you」が、31日に没後25年を迎える故ダイアナ元皇太子妃の初の劇場ドキュメンタリー映画「プリンセス・ダイアナ」(9月30日公開)の主題歌に起用されたことが30日、分かった。ZARDの楽曲が、洋画の主題歌に起用されるのは初めて。

同映画は、ダイアナの19歳での婚約から死までの17年間を数千時間にのぼるアーカイブ映像をつなぎ合わせたドキュメンタリー作。今もまだ多くの人に愛され続けるダイアナ元妃と坂井泉水さん。自分の道を後悔なく歩み続けた2人の女性の思いから、今回のコラボレーションが実現した。

「Forever you」は、95年発売の同名アルバムの収録曲の1つで、ファンの間でも根強い人気を誇る名曲だ。同曲の誕生について、長戸大幸プロデューサーは秘話を明かした。

長戸氏 坂井泉水は、自らの歌に対して言葉を大切にするアーティストでした。ZARDが評判になって来た頃、彼女がレースクイーン時代の頃の情報がマスコミに流れ出しました。いわゆるゴシップ、虚実入り交じる暴露ネタのニュースです。誹謗中傷めいたそういった言葉の暴力に対して彼女自身も深く傷つけられたに違いありません。これは何とかしなければ、とある時プロデューサーの私は「そういった心境を歌詞に表してみれば?」と提案してみました。ところが、彼女が表現した言葉(歌詞)は、意外にも私の想像を覆すものでした。彼女は「その過去があったからこそ、現在の自分がいるのだ」と。それどころか、その時関わってくれた方々に対して感謝すら感じていました。そうして出来上がった歌詞が「Forever you」という曲になりました。周囲の方々に対する謙虚な配慮と自分自身の弱さに負けない意思の強さを持ち合わせた詞(ことば)の表現力、だからこそ、ZARD坂井泉水の歌詞(言葉)はあれだけ多くの大衆の支持を集める存在になり得たのではないかと、そう思うのです。

ダイアナ元妃も、婚約から死の瞬間までカメラに追われ続けた人生だったが、坂井さん同様、強い意思でそれに立ち向かった女性だったことも共通しており、異例の“コラボ”にも注目が集まりそうだ。

今回のコラボを記念して、同曲が収録された最新アルバム「ZARD Forever Best~25th Anniversary~」コラボバージョンが数量限定生産で9月28日に発売されることも決まった。