7人組グループTravis Japanの全世界配信デビューシングル「JUST DANCE!」が、発売初週で6.7万ダウンロードを記録し、オリコン週間デジタルランキングで初登場1位となったことが1日、明らかになった。先月31日でジャニーズ事務所副社長を退任した滝沢秀明氏(40)が最後にデビューさせた秘蔵っ子が、スタートダッシュを決めた。

   ◇   ◇   ◇

大きな夢に向けて好発進だ。先月28日のリリースから3日間で積み上げた6.7万ダウンロードは、先月発売の米津玄師「KICK BACK」が記録した6.3万を超え、今年度最高の初週ダウンロード数となった。5位と6位には同時リリースしたリミックス版もランクインした。

トップ10のうち3作を「JUST DANCE!」が占めた。リーダー宮近海斗(25)は「たくさんの人に楽しんでもらえていることをうれしく思っています!」と伝えた。12年の結成から10年。念願のデビューに伴いジャニーズJr.も卒業した。「なんと、ランキングに自分たちの楽曲があることも初めてで、とてもメンバーで喜び合っています!」と率直なコメントを寄せた。

滝沢氏が特に目をかけていたグループの1つだ。タレント業引退前から、主演舞台「滝沢歌舞伎」などで共演。20年1月にほぼ同年代のSnow ManとSixTONESが同時デビューし複雑な心境だった。滝沢氏は7人を人一倍気に掛けていた。主演舞台「虎者」をプロデュースし、ダンスYouTubeチャンネルも立ち上げるなど、ブレークのきっかけを模索した。今年3月からの米国留学はその最たる例だ。

結果的に米国での活躍が大手レーベル関係者の目に留まり、全世界メジャーデビューをつかみとった。従来のジャニーズタレントのCDデビューと形は違うが、9月に取材に応じた滝沢氏は「Travis Japanが新しい形を作ってくれた。大変だけど、ビッグチャンスもある。時間はかかるかもしれませんが、彼らなら必ず自分たちの時代を築き上げてくれる」と大きな期待を寄せていた。

テレビ局関係者によると、滝沢氏は9月中旬に代理人を通じて退任を申し出て、事務所側と代理人を介して話し合いを進めたという。Travis Japanのデビューが決まり、巣立つめどがついたタイミングでもあった。世界進出は、19年に亡くなったジャニー喜多川前社長の長年の夢。さらなる飛躍に向けて、大きな1歩を踏み出した。