テレビドラマ「横溝正史シリーズ」の金田一耕助役などで知られ、今年8月に78歳で亡くなった俳優古谷一行(ふるや・いっこう)さん(本名かずゆき)のお別れの会が14日、都内で行われた。長男でロックバンドDragon Ashの降谷建志(43)、その妻でタレントのMEGUMI(41)ら約300人が出席した。

建志は発起人の1人を務め、あいさつに立った。古谷さんの所属事務所によると、撮影で多忙な古谷さんは家を空けることが多く、幼少期は寂しい思いをしていたこと、その一方で俳優として尊敬していたことなどを語った。

約3000本の花に彩られた祭壇は横幅11メートルで、大きく広げた台本がモチーフになった。生涯俳優で過ごした古谷さんを象徴するデザインは建志のアイデアで、モノクロの遺影も生前の古谷さんが気に入っていたものを建志が選んだ。写真は鮮やかな花々に囲まれているが、「『派手なことはやめてくれ』と言うだろうな」と父親に思いをはせていたという。会場には79年のTBS系ドラマ「青春諸君!」や20年の舞台「アルトゥロ・ウイの興隆」の出演シーンなどのパネルも飾られ、古谷さんの長きにわたる活躍が紹介された。

古谷さんとNHK大河ドラマ「秀吉」で共演した竹中直人(66)は「存在自体がすてきだった。大好きで、尊敬できる、最高の俳優でした」。石野真子(61)は「向こうから『頑張ってね』とか『元気でやってね』とか、すごく温かい言葉をかけてくださる先輩でした」と人柄を語った。沢村一樹、南海キャンディーズ山崎静代、羽田美智子、YOUらも出席した。【遠藤尚子】