ピーターこと池畑慎之介(70)が15日、東京・丸の内コットンクラブで「SINNOSUKE OZIBA LIVE 2 コットンクラブ」を行った。8月8日に古希(70歳)を迎えた。同1日に同所で古希を祝うスペシャルライブを開催した。この日は、70歳となって以降の初めての本格的なライブで、チケットは即日完売。満員のファンが詰め掛けた。

自ら「世界一美しいおじいちゃんになります」と話しているように、妖艶な美しさと歌声は変わらない。ライブのタイトルの「OZIBA」は、関係者によるとおじいちゃんおばあちゃんの略語という。5月末には公式YouTubeチャンネル「OZIBAチャンネル」も開設し、ますます積極的に活動している。

この日は54年前のデビュー曲「夜と朝のあいだに」を独特の低音で歌い、ファンを喜ばせた。「デビューした時、かわいいと言われて、歌ったら、この声(低音)でしょう。テレビの故障かと思い、テレビをたたいた人もいたんです」と話し、会場は笑いに包まれた。

「どうにもとまらない」(山本リンダ)「後から前から」(畑中葉子)「恋のしずく」(伊東ゆかり)「人生いろいろ」(島倉千代子)など、恋愛のヒット曲の数々を速射砲のように歌う「恋愛講座メドレー」で会場を盛り上げた。「酒場にて」(江利チエミ)「二杯目のお酒」(和田アキ子)「ナナという女」(美川憲一)では、和田や美川とのエピソードを交えながら聴かせた。「美人薄命と言いますが(笑い)、古希を迎えて元気にパフォーマンスできることは幸せです」と喜んだ。

終盤では、ロシアのウクライナ侵攻で多くの子供たちが犠牲になっていることを嘆き、谷川俊太郎氏が作詞した反戦歌「死んだ男の残したものは」を鬼気迫る表現力で歌い上げた。

アンコールは「清河への道」(新井英一)と「越路吹雪メドレー」。昭和歌謡からポップス、シャンソンまで、幅広いジャンルを歌い、時には俳優のように演じ、時には視線の動きだけで表現した。古希を迎えても、ピーターはピーターである。【笹森文彦】