劇団「DULL-COLORED POP」を主宰する劇作家谷賢一氏(40)とマネジメント契約を結ぶ有限会社ゴーチ・ブラザーズは23日、同契約を解除したと公式サイトで発表した。

「弊社に所属する谷賢一がハラスメント案件で東京地方裁判所に提訴された件において、事実を重く受け止め、本日、谷賢一とのマネジメント契約を解除いたしましたことをご報告申し上げます」としている。

谷氏は、同劇団所属の女優大内彩加(29)からセクシュアルハラスメントで提訴され、550万円の損害賠償を求め、11月24日付で東京地裁に訴状を提出されたばかり。

ゴーチ・ブラザーズは、伊藤達哉代表名で発表した文書の中で「事態が発覚した日よりこれまで、可能な範囲とはなりますが劇団関係者等からの聴取など調査把握に努めてまいりましたところ、訴訟内容に関わる判断自体は困難といたしましても、社会人としての倫理及びモラルを逸脱した行動があったものと評価しうる点が認められました」と、倫理やモラルを逸脱した行為があったことを認めた。その上で「本日訴状内容を確認の上、本人と話し合いの場をもちましたところ、この度の契約解除に至りました。弊社所属のクリエイターが創作の現場においてこのような事態を招いてしまったことは誠に遺憾であり、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

谷氏については、大内が20日、代理人弁護士とともにオンラインで記者会見を行った。その中で、劇団のオーディションに合格した18年6月から3年近くセクハラを受け続けてきたとし、駅のホームで羽交い締めにされ胸をもまれたり、性行為を強要されることもあったとし「ハラスメントが絶えない現場でした。被害者はたくさんいます。私は声を上げ続けていきたい」と訴えた。

会見の中で、大内は谷氏と交わしたというLINEのやりとりも公開。大内に恋人ができたことを知った谷氏から送られたという「大内くん、彼氏できたんだってね…。おめちゃんと報告しろよ……。勝手におっぱい触ってごめんね……また触っていいときあったら教えて下さい触りたいです……」(原文ママ)などのメッセージも見られる。訴訟では証拠として提出する方針としている。

大内が提訴したことが分かり、16日から19日に福島県南相馬市で開催予定だった谷氏の新作舞台「家を壊す-他、短編-」は中止になった。谷氏はこれまで、ウェブサイトで「事実無根。司法の場で争う」と反論している。所属事務所は「まだ谷のもとに訴状も届いておらず、訴えの内容を正確に把握できていない状況です」としている。