多発性骨髄腫と闘う漫才師宮川花子(68)が1日、大阪・千日前のYESシアターで、4年ぶりの漫才を披露する。昨秋、一時は「心不全」状態に陥りながらの奇跡的な“V字回復”で、大花漫才を復活させる。

花子は19年6月に多発性骨髄腫で闘病に入り、20年4月にいったん退院。その後も再発状態に陥りながらも、化学療法などで体調回復に努めていたが、昨年10月29日に一時悪化。心肺停止状態に陥るなど、危険な状態から、わずか44日後の同12月11日には舞台復帰を遂げた。今年2月には故郷の大阪府寝屋川市で極寒の中、節分祭に参加して豆をまくなど、主治医も驚くほどの“V字回復”で、漫才復帰への道を進めてきた。

4月10日には、大阪市内で会見し、19年6月、名古屋・大須演芸場以来の漫才に「口は元気なんです。早くやらんとお迎えが来てしまうから、今回漫才をさせてもらうことになりました」と、全盛時と変わらぬ口調で抱負を口にした。

車いすに乗ったまま漫才やトークを披露する。

「自分の足で立てるのが先か、舞台で漫才するのが先か? 東京パラリンピックを見て、私はパラ芸人で行こうと決めたんです」

現在も毎日20錠の薬を飲み、ステロイドや点滴治療も継続中。以前と比べ、体重で15キロ減、身長も6センチ小さくなったというが、「髪の毛や体毛が抜けて、エステに行く必要がなくなった」と笑いとばす。

最終的な目標は、大阪・なんばグランド花月(NGK)寄席興行への出演。「上方漫才大賞も欲しい。昭和、平成で大賞をいただいているので令和でも狙います」と、漫才師としての意欲は衰えを知らない。

そのNGK階下のYESシアターから、復活の第1歩を刻む。