宝塚歌劇団花組の人気スター聖乃あすかが3日、兵庫・宝塚バウホールで、森鴎外の小説を原作とした主演ミュージカル「舞姫-MAIHIME-」の初日を迎えた。

期待の花組スターにとって、2度目のバウ主演作。明治時代、国費留学生としてドイツへ渡り、踊り子エリスとの出会いから、愛と祖国への思いに揺れるエリート軍人・太田豊太郎を繊細に、丁寧に演じた。

エリスとの純愛は、私費でベルリンに暮らす極貧の画家との出会いでさらに燃え、世間の中傷の的となる。免官処分を受けた豊太郎の才を惜しんだ旧友の助けを得て、再び頭角を現すも、最愛の人との別れを迫られ、苦悩を深めていく。

軍服、スーツと多彩な衣装も着こなし、愛に輝き、愛に悩み…多様な“顔”も見せた。

聖乃は14年、100期生として入団。花組に配属され、18年「ポーの一族」で新人公演初主演。以来、新人3度主演し、前花組トップ明日海りおの退団作でも新人主演を務めた。

21年には「PRINCE OF ROSES」で、100期生初のバウ主演。艶やかなルックスで“キラキラ”系の若手スターから、十分な品格を携えた正統派男役へと成長。今作でも、豊かな情感を発揮している。

聖乃演じる主人公と恋に落ちるエリスは18年入団104期生の美羽愛、旧友役は聖乃の1年先輩の帆純まひろが好演。極貧画家は102期生の侑輝大弥が熱演を見せた。

前日2日には通し舞台稽古が行われ、聖乃は「1回1回の公演を大切に、丁寧につとめて参りたいと思います」と言い、初日に備えていた。

公演は同所で14日まで。