山口智子(58)が19日、東京・イイノホールで行われた映画「春に散る」(瀬々敬久監督、8月25日公開)完成披露試写会に登壇した。1996年(平8)の「スワロウテイル」(岩井俊二監督)以来、27年ぶりに映画に出演した決め手は、横浜流星(26)とダブル主演した佐藤浩市(62)への「LOVE」だと告白した。

「春に散る」は、ボクシングに造詣が深いことで知られる作家・沢木耕太郎氏の同名小説の映画化作品。佐藤は劇中で、不公平な判定で負け、米国へ渡り40年ぶりに帰国した元ボクサー広岡仁一、山口は仁一がかつて所属したジムの会長の娘で、現会長の真田令子を演じた。

山口は、司会から27年ぶりの映画出演について聞かれると「そうなんですか…信じられない。(時の流れは)早いですね」と感慨深げに口にした。映画に出た1番の理由を聞かれると「それは、もちろん浩市さんLOVE。恥ずかしい…俳優として、すごい尊敬して大好き」と即答した。共演は、14年に佐藤が主演したTBS系スペシャルドラマ「LEADERS リーダーズ」以来、9年ぶりだった。

トークの中で、佐藤が「今回は人物の設定とか背景とか、映画では、あえて、はっきり描いていないんですよ。それでも何となく見たら分かる描き方をしている」と作品を評した。その上で「僕と山口さん演じる会長も(間に何があったかは)一切、描いていない。皆さんに考えながら感じていただきたいなという役どころ」と2人の役の関係性を説明した。

ただ、山口は「役も原作を読ませていただくと、過去にほのかな恋心を、と…。浩市さんが演じた役がボクシングを始めたころの育ての親が、私が演じる会長のお父さん。同じ青春時代、キラキラしているところにラブという目で見ていた」と、役の背景、設定をバラしてしまった。これには佐藤も「そこまで(映画では)言ってないから!  そこ、濁しておかないと」とツッコミを入れた。

それでも、山口の“浩市さんLOVE”は止まらず「言っちゃいけない? でも、自分の感情と重なりながら…。絶対、浩市さんとは、ご一緒したかったので、すごい幸せでした」と笑みを浮かべた。