元SDN48で作家の大木亜希子氏(34)と友人の有村藍里(33)が7日、東京ビッグサイトで開催中の「女性のメンタルヘルスケアEXPO」で開催されたトークイベントで、女性のメンタルヘルス(心の健康)や、月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)について語り合った。

トークイベントは「女性のメンタルヘルスケアEXPO」と、大木氏の原作を映画化した「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(穐山茉由監督、11月3日公開。つんドル)とのコラボイベントとして開催された。「つんドル」は、会社員だった大木氏が会社に行けなくなって休職し、1人暮らしのサラリーマン“ササポン”と、定年退職まで期間限定で共同生活を送った実話を元に、19年に刊行した同名の実録私小説。仕事なし、彼氏なしの元アイドル安希子を深川麻衣(32)が、同居するササポンを井浦新(49)が演じた。

有村は、映画を見た印象について聞かれ「原作にもあったように、このまま結婚もしてない、出産もしていないから子供もいない…老後、どうしようかと思っていたら、倒れて病院に運ばれた。独りぼっちでおなかが痛いのに我慢して限界を超えて、ササポンが来てくれた。孤独だと思ったら、身近に何かあったら駆けつけてくれる人がいる…そのシーンを見て、大号泣してしまいました」と振り返った。それを聞いた大木氏は「このEXPOとリンクする。女性の心のケア、体について描かれていると原作者として感じます」と「つんドル」が女性のメンタルヘルス(心の健康)にも触れた作品であると強調した。

有村は、18年3月に出演した日本テレビ「ナカイの窓」と自身のブログで、歯を6本抜き、歯茎を電気メスで削り、セラミックをかぶせる矯正治療で100万円かかったと明かした。翌19年3月には、ブログとフジテレビのドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」で、頭蓋骨を6分割する「顎矯正手術」という美容整形を受けたことを公表した。トークの中で「最初に会った時は多分、映画の通り落ちていた時の亜希子さんだったんですね。亜希子さんが作品を書いているタイミングで、私もちょうど美容整形をして。文章を見て亜希子さんが、すごく頑張っているところを見て、私も頑張ろうと思えた」と、整形手術を受けた当時、大木氏の姿が励みになっていたと振り返った。その上で「誕生日が同じ8月13日生まれで、亜希子さんが1つ上。私にとって、お姉さんのようなお友達のような…仲良くしてくれてうれしい」と大木氏への厚い友情を口にした。

また、有村は「つんドル」で描かれた安希子にも共感できたとしつつ、30代になって結婚観に変化があったことも明かした。20代前半の時は「私は結婚に興味がないし、自分が子供を授かったりとか出産することが想像もできなかった」とした上で「今、32歳になって、周りの子たちが結婚、出産されたりしているのを見て、あぁ、そうか…と。結婚、出産を考えているのかとか、出産するとなったとしても、自分が子供を授かれる体なのか不安があったり…お友達とお話しする内容が、どんどん変わってきたなと感じています」と、友人達と話す内容も変わってきたと語った。

大木氏は「私は、それに加え、仕事に成功しなければ、自分の存在価値が認められないと思い込んでしまっていた」と、女性としてのライフスタイルが変わっていく中、仕事で結果を出さなければと自らを追い込んでいたと振り返った。「10代で女優として頑張って芽が出ず、20代でアイドルで頑張ったけどセンターは他の方。20代半ばで会社員になったけど、仕事に成功しないと、自分という人間は人に認められないんじゃないか? と焦りがあって…今、思い出しても苦しいです。30歳前後の自分の日記を、恥ずかしくて読めない。自分らしく生きるって何だろうとか…」と吐露した。

トークでは、PMSにも話が及んだ。大木氏は「私は、やはり生理前のPMSが重い。いろいろな種類のPMSがあると思うんですけど、小説の締め切り前と生理前が重なると、ワーッとなって、涙もろくなったり、チョコレートを一気食いしたくなったり。自分の体なのに自分のものでないような、コントロール出来なくなるのが、つらい」と現状を明かした。有村も「私もPMSは多い方で。25歳を過ぎた頃で、生理前とか毎月、同じ決まった時に肌が荒れたり。涙が出たり…何で出ているか分からないけれど…情緒不安定な感じになっているのがPMSと気付かなかった。調べて…病院に行き始めて、ピルでコントロールしてホルモンバランスを整え、自分の体と向き合いつつも付き合っている感じ」と、医療的なアプローチの力も借りつつ、向き合っていると説明した。。

◆大木亜希子(おおき・あきこ)ライター。1989年(平元)8月18日、千葉県生まれ。05年に日本テレビ系ドラマ「野ブタ。をプロデュース」で女優デビュー。数々のドラマ・映画に出演後、10年に秋元康氏プロデュースのSDN48として活動。その後、タレント活動と並行し、ライター業を開始。15年年に「しらべぇ」編集部に入社。18年にフリーランスライターとして独立。主な著書に「アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア」(宝島社)、「シナプス」(講談社)。

◆有村藍里(ありむら・あいり)1990年(平2)8月18日、兵庫県伊丹市生まれ。16歳で芸能界デビューし、17年に本名の有村藍里として独立。独立を機に積極的に女優としての活動も始め映画、ドラマ、舞台、テレビなどにも多数出演。19年にはフォトエッセー「1mmでも可愛くなりたい」を出版。20年に「with」(講談社)でコラムの連載をスタートし、アパレルブランドやコスメをプロデュースするなどファッションや美容関連にも活動の幅を広げている。