「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「ビューティフル・ネーム」「銀河鉄道999」などのヒットで知られるロックバンド、ゴダイゴ(GODIEGO)の4枚組DVDボックス「Godiego TBS Dream Time Box」が、18日に発売された。

70年代末から40年以上にわたって「ザ・ベストテン」「サウンド・イン“S”」「日本レコード大賞」など、TBSの音楽番組に出演した映像を集めた。発売記念のライブツアー「Godiego Live!2023」も22日の神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホールからスタート。全国5都市で11公演を行う。

  ◇  ◇  ◇

現在のメンバーはミッキー吉野(71)タケカワユキヒデ(70)スティーブ・フォックス(70)トミー・スナイダー(70)吉澤洋治(66)の5人。ゴダイゴは76年に「僕のサラダガール」でデビューした。

1978年(昭53)10月に発売した「ガンダーラ」がメガヒット。その後も「モンキー・マジック」、「ビューティフル・ネーム」、「銀河鉄道999」とヒットを連発した。

だが、人気絶頂の80年3月いっぱいで、ベースのスティーブが脱退した。空白の4カ月間をへて、吉澤が加入した。

吉澤「戸惑うっていうかね、年的には23歳ですから。一般社会でも、そうなんでしょうけどね。とりあえず、何が起きてるんだろうなっていう感じでした」

ミッキー「いや、いや、結構すごかった(笑い)。だって、最初のステージがアメリカだった、ロサンゼルスで。あれが、最初でしょ」

タケカワ「その前にギター監督が、僕らのステージを見に来た。当時は僕たちのブラインド(のスクリーン)が前にあって、それで最初そのブラインドを閉めてて、そこに映像を映してるんですよ。2月に発売した『リターン・トゥ・アフリカ』のイントロでアフリカのゆっくり映像があって。そこから急にダダダダダダダッって、カッコイイのが始まる時に、3つあるブラインドのミッキーの所だけがバーンって開くわけ。そして向こうで弾いてるやつがバーンって来る。そして、僕もバーンって行ってね。その曲が終わると、その後にドドドドドっていう大きな曲が流れると、それが『ガンダーラ』っていうのが最初のオープニングの演出だったんですよ。それを見ていて、客席からのキャーッがすごいんだよ」

吉澤「ビビってないよ。おいしいな、そう思っていた」

タケカワ「バーンって、キャーッて来るんだよ。よく、あんなことできるなって言われたけど、そういうのもありました。大変だったね」

ミッキー「すごいですよね。だってロサンゼルス行って、最初からベース弾いてるんですから」

吉澤「ひどい話ですよ(笑い)」

タケカワ「その前にレコーディングはやってましたけどね。レコーディングはベースでやっている」

吉澤「そういうところを開き直ってね。格闘技をやってたからさ、もうどうしようもないと思ったら行くしかない」

それが1980年(昭55)だった。それから40年以上がたった。

今月18日には4枚組DVDボックス「Godiego TBS Dream Time Box」が発売された。76年から2019年(令元)まで、40年以上にわたって「ザ・ベストテン」「サウンド・イン“S”」「日本レコード大賞」など、TBSの音楽番組に出演した映像の集大成だ。

ロック、フォークのミュージシャンがテレビに出なかった時代。“狙って”テレビに出たゴダイゴは、79年には1年間で160本の音楽番組に出演した。毎週木曜午後9時に生放送されていた「ザ・ベストテン」は、79年の平均世帯視聴率が28・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という超人気番組だった。アーティストのコンサート会場まで、アナウンサーが「追いかけます、お出かけならばどこまでも」と“追っかけマン”となって中継した。

タケカワ「中継があるって言うと、お客さんがもうすっごく喜ぶんですよ。遅いんで、中継の時にはとっくにコンサートは終わってるんですよ。でも『中継が来ますから、そのまま待っててくださいね』って言うと大喜びで、その後に何十分も待っててくれる。僕らは控室でボーッとしてるんですけどね。それで、中継が始まるとワーッてなってくれる。すごい時代だよね。まぁ、お客さんはおいしいよね。2回楽しめるんだから」

ミッキー「仙台に行った時が面白かったよね」

スティーブ「僕のおばさんが来た。『ゆべし』っていう、日本のお菓子があるじゃないですか。それを作ったおばさんが喜んじゃって『うちの息子がそこにいるんだー』ってね(笑い)」

ミッキー「あの時代、すごいですよ。みんな、すごい滑り込みみたいな感じで中継していた」

テレビに出ないことを売りにしていたミュージシャンが多かった時代。その中で、テレビに出まくって演奏して歌ったゴダイゴは、アイドル的な人気もあった。

ミッキー「僕は、もっと楽しんでやろうと思ってた。やらなかったですけど、一心太助とかやってやろうとか(笑い)。そういうのは楽しんでやろうとね。それはやらなかったけど、(『モンキー・マジック』を歌いながらタケカワが放った)クモの糸で十分だったでしょう。あとはやっぱり『モンキー・マジック』のリズムとかが、理屈抜きに体が燃えちゃったんだろうね」

(続く)

◆ゴダイゴ(GODIECGO) 現在のメンバーはリーダーでキーボードのミッキー吉野(71)、ボーカルのタケカワユキヒデ(70)、ベースのスティーブ・フォックス(70)、ドラムのトミー・スナイダー(70)、ギターの吉澤洋治(66)。1976年(昭51)4月に「僕のサラダガール」でデビュー。当時のロックバンドでは異例のCMタイアップ曲だった。78年に日本テレビ系連続ドラマ「西遊記」の主題歌「ガンダーラ」を10月、オープニング曲「モンキー・マジック」を12月に発売。79年4月に国際児童年キャンペーンソング「ビューティフルネーム」をリリース。同年7月に松本零士原作の人気アニメ「銀河鉄道999」の同名主題歌発売。85年に活動休止を発表。99年(平11)に3カ月限定で再結成。06年に本格的に再始動。79、80、99年にNHK紅白歌合戦出場。