先月29日に大腸がんのため55歳で亡くなったX JAPANのベーシスト、HEATHさん(本名・森江博=もりえ・ひろし)をしのぶお別れ会が28日、東京・渋谷のSpotify O-EASTで行われ、約1万人のファンが、バンドを支え続けた偉大なベーシストに別れと感謝を告げた。

この日の正午から午後9時にかけて1時間制に分けて始まった一般参加には、喪服で来場したファンも多く、ハンカチで目を押さえておえつを漏らしたり、涙を流しながら会場から出てくる人も多かった。祭壇に掲げられたHEATHさんの遺影と向き合い、死を受け入れることがままならないのか、路上でぼうぜんとするファンの姿がある一方、名残惜しそうにしながらも「けじめだからね」と気持ちを整理するファンもいた。

都内からきたHEATHさんのファンという女性は「何度もライブに行きました。(HEATHさんは)ここ5年くらい活動もできていなくて…」と言葉を詰まらせた。X JAPANは30年以上応援していたといい「(98年に死去した)HIDEちゃんの時のことを思い出しました。すぐ受け入れられなかったから、ちゃんとお別れしないと何年も引きずってしまうと思って」と目を赤くした。

また、同バンドを10年以上応援しているというYOSHIKIファンの男性は、HEATHさんの祭壇と向き合い「若いなあと。急な死だったので受け入れられないところがある。『ありがとうございました』と伝えました」と祈りをささげた。「(ベースとして)欠かせない存在だった。(訃報は)最初はデマなんじゃないかと思ってたけど、本当なんだなって。悲しかった」と声を振り絞った。