お笑いタレント、女優、コメンテーター。多彩な顔で活躍するオアシズ大久保佳代子(52)に、新たな肩書が加わった。TBS Podcast番組「大久保佳代子とらぶぶらLOVE」(土曜午後5時配信)で、TikTokで活躍したクリエーターを表彰する「TikTok Awards Japan 2023 Contents&Media」に選出された。現在もラジオを通してユーザーを魅了し続け、新たな挑戦も視野に入れる。仕事、結婚、愛犬との暮らしなど今の心境を聞いた。【加藤理沙】

★ラジオきっかけ

大久保は22年までTikTokとコラボした、TBSラジオ「大久保佳代子とトレンド遊び」でパーソナリティーを務めた。

「番組自体も私の世代の人がTikTokと身近になってくれたらと始まりました。私自身も存在は知っていたけど、接することがないSNSかなと思っていたんです。トレンドを自分から集めに行くのは大変だし、ラッキーでした」

番組内でTikTokクリエーターから最新トレンドなどの情報を集める。放送後、番組内で知った情報を元に、撮影した動画をTikTokに投稿する。

「ラジオで『海外ではやっているから日本にも来ます』『バズっているからやった方が良いよ』と言われたら、訳も分からず、やってみましょうと、軽く(笑い)。ラジオを聞いてTikTokを見てもらえたらコンプリート。通常のラジオとは違う不安もややありつつ、TikTokを知らない世代がつながったと感じる瞬間もありました」

「トレンド遊び」終了後の22年12月に、「大久保佳代子とらぶぶらLOVE」がスタート。TikTokでの投稿は継続し、「TikTok Awards-」を受賞。フォロワー数は35万人を超えた。

「みんなに助けてもらいました。フォロワー数が増えるたびうれしい半面、いまだに何がバズるのかは分かりません。意外とバズると肌で感じたのはコスプレですね。アーニャから始まり、呪術廻戦とかね。花の横でほほ笑む写真を並べた『花と佳代子』は全然だったね。エロい系の南京玉すだれもバズらず(笑い)」

投稿を始めてから新たな発見もあった。

「ある時からYouTuber、SNSで何万人フォロワー数がいるっていう子たちがテレビ番組で一緒に並ぶようになって。正直『何? この子、えたいの知れない』って思ってたんですよ。でも、やってみるとすごく大変。アイデアを考えて、素材を作って編集して。結構すごいことをやってるんだと尊敬できるようになりました」

★ダメ男を例えに

「らぶぶら-」は大久保が恋愛マスターとして、恋愛、生き方に悩むリスナーの声に真剣に耳を傾ける。

「結果的に悩みを解決して、ズバッと言えるわけでもないし、答えは出ません。悩みの周りを回っているだけ。聞いてくれる人は、それを意外と良しとしているんだと思います」

相談内容はマッチングアプリ、ヒモ男、不倫、ロマンス詐欺などさまざまだ。

「一方向だけの意見は言わないように。話をしながら、思い付きで付け足しちゃいます。だって10年以上も不倫していたら、もはや手放すことはできないし。『だめだよ』『ダメ男とは別れなよ』も言えるけど、『でも…ダメ男って良いよね』っていうのもあるじゃないですか。刺激があってやっぱり好きになっちゃうじゃないですか、ダメな部分を含めてね。そう言って欲しいところもあるでしょうからね。まぁ、私の精神状況が悪い時は怒りますけど(笑い)」

恋愛マスター自身は「ご無沙汰です~」と困り顔。

「最近は全然なので、リスナーさんからもらった相談を刺激に、怒ったりキュンキュンしたり。(恋愛の)譲れない条件も、もはやわからなくなってます」

23年放送の芸能人マッチングバラエティー番組「恋するアテンダー」(テレ朝、ABEMA共同制作)では、年下の現役競輪選手とマッチングしたが…。

「あ~、あの競輪選手! 全然! びっくりするぐらいなかった(笑い)。『機会あったらご飯でも』って話をして、向こうも『機会があったらぜひ』からのパタリとない。そんなもんよ。期待してなかったけど、もう1通くらいあってもいいかなって思ったね」

初めて週刊誌の直撃を受けた年下男性も「ダメ男! ダメ男だったわ~。だからこそハマったってやつね」と爆笑。

「だから私はダメ男には魅力があると言えるんです。その辺が最後、結婚できたらと思っていた時期でしたけど、フラれましたね」

最近の結婚願望は「波がある」という。

「1人で生活するにもしんどいことは増えるだろうし、パートナーが欲しいと思うこともある。ただ、これだけ好き勝手生きて、マイペースな生活スタイルで、譲れないところも増えてるので、もう人と暮らせないと思う時もありますね」

★たまに強い刺激

40代から50代にかけて、仕事にも大きな変化があった。

「40代前半までは自分でもガツガツしていたんですが、50代になると基本的な体力も落ちてくる。ある程度埋まって、心穏やかにできる仕事をしたいんですよ。たまにお笑い刺激が強い仕事が入ったらいいかな。仕事場には行きたいので、寂しくない程度にね」

昨年は新たにゴルフ番組、古典芸能を紹介する教養番組もスタートし「より深くやっていきたい」と意欲。一方で、コメンテーターの仕事には「無難なコメントを言い続けるギャラ泥棒だって思いますよ。天気予報のコーナーでやたらしゃべって帳尻合わせなんかしちゃってね」と厳しめの自己評価だった。

そんな大久保の癒やしは愛犬・パコ美の存在。「たまんないんですよ、本当に」と溺愛中だ。

「パコ美がいなかったら夜出歩いたり、男の人と接触しようとするかもしれないけど、パコ美がかわいいし。一緒に晩酌してくれる。パコ美ちゃんファーストです。寝起きもすっごく口をなめてくるので『これもキスの1つだと思えば』って満足してます」

★挑戦「体鍛える」

今後の仕事への向き合い方についてはこう答えた。

「先細りしながらも仕事はあるかもしれないですよね。ただ『痛いよ、大久保さん』『頑張りすぎているよね』と思われないようにしたい。50代で仕事のやり方が変化したように、55歳でどう感じるかですが、自分がある程度、満足するように調整したいですね」

新たに挑戦したいことは悩みながら「鍛えたい」と答えた。「それってすげー大変だよなって思う」と苦笑いしつつ「もしかして機会があったら人にお見せできるくらいの50代の体になれたらなんて」と笑った。

「マイペースに」と言いながらも、さまざまなジャンルに挑戦し続ける。

「私を見ておもしろいとか、ドキドキしてくれたらうれしい。『おばさんです』と言うのは楽で簡単。だけど、まだこの人はやってくれそうと思えるような存在でいたいです」

▼TikTokコンテンツを制作する、COMiNUMとMAKIADACHIによる音楽プロジェクト0am

ダンス動画等は、これから流行りそうで、大久保さんに合いそうなネタを提案しますが、大久保さんがアレンジを加えてくださることで唯一無二の動画となりバズらせることができています。ゲストとのコラボも、大久保さんがコント台本を書いてくださり、撮影はほぼ一発OK。本当に面白くていつも撮影しながら笑いを堪えるのが大変です。いつもTikTokを楽しみながら全力でやってくださるので、その空気感が視聴者にも伝わっているのかなと思います!

◆大久保佳代子(おおくぼ・かよこ)

1971年(昭46)5月12日、愛知県生まれ。千葉大文学部卒。光浦靖子とオアシズを組み、92年にデビュー。00年、フジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」で「OLの大久保さん」として出演し話題に。フジ系「ノンストップ!」、NHKEテレ「芸能きわみ堂」、TBS系「ゴゴスマ~GoGo!Smile!~」などレギュラー多数。158センチ、血液型O。

◆大久保佳代子とらぶぶらLOVE

TikTokフォロワーが約35万人と、若者からも絶大なる支持を誇る、大久保佳代子が恋愛マスターとして「恋愛」「生き方」などに悩む乙女たちの声に対して真剣に耳を傾け、寄り添うポッドキャスト番組。

 
 
 
 
TikTokコンテンツを制作する0amのCOMiNUM(左)とMAKIADACHI
TikTokコンテンツを制作する0amのCOMiNUM(左)とMAKIADACHI