2013年11月に交通事故で亡くなった俳優ポール・ウォーカーさんの事故を巡る裁判で、製造元のポルシェ社には責任はないとの判決が下された。

 ウォーカーさんは、友人のドライバー、ロジャー・ロダスさんが運転するポルシェ・カレラGT車に同乗中に衝突事故に遭い、車両が炎上して40歳と言う若さで亡くなった。事故後、ロダスさんの妻クリスティンさんが、車両の安全装置に不備があったと主張してポルシェ社を提訴していた。しかし、被告側の不正を証明するための確実な証拠を提示できなかったことから、裁判所は訴えを棄却した。

 この事故を巡っては、ウォーカーさんの父親も死の一因は車の安全対策を怠ったポルシェ社の過失だとして提訴している他、実娘メドウさんも父は安全上の欠陥があったために炎上する車から脱出することができなかったとして同じく提訴している。メドウさんの弁護士は、「ウォーカーさんは同乗者であり、事故直後にはまだ生存していたが車から脱出できずに死亡したことから、衝突によって死亡した運転手の妻クリスティンさんの裁判とは内容が違う」とコメント。引き続きポルシェ社と戦うことを明言している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)