劇団四季の13年ぶり4度目「キャッツ」大阪公演の公開げいこが13日、大阪四季劇場で行われた。個性豊かな“招福猫”たちが躍動した。上演地にゆかりのプロ野球球団が優勝するという「招き猫伝説」がある同大阪公演は、阪神、オリックスと地元2球団が低迷する中、16日に同劇場で開幕する。

 招福猫が上陸した大阪。現在は阪神、オリックスの地元球団は苦しんでいるが、四季は「クライマックスシリーズ(CS)もありますし、これからの巻き返しもあるのでは」。とりわけ阪神が所属するセ・リーグは、2位の巨人以下が借金生活と混戦で、四季は「タイガースに頑張ってもらって、お互いに関西活性化にお力になれれば」と期待している。

 そもそも、この「招き猫伝説」の“御利益”は-というと、なかなか強力なものだった。日本初演となった83年の東京公演時は巨人が優勝。大阪初演だった85年には阪神が21年ぶりのリーグ優勝を果たし、球団初の日本一に輝いた。

 88年の名古屋初演時には中日が、99年の福岡再演時にはダイエー(現ソフトバンク)が優勝。最近では13年に仙台で上演され楽天、14年には再び上演された福岡でソフトバンクが、ともに日本一を達成している。

 初演から33年、リーグ優勝14回、日本一6回と地元球団の躍進に“貢献”する神通力を誇ってもいる。大阪に限れば、初演85年のタイガース日本一に続き、92年には阪神がペナントレース最終盤まで優勝争いをしたが惜しくも2位フィニッシュ。01年には阪神が最下位の屈辱を味わっているが、実はパ・リーグで近鉄が優勝している。

 にわかに信ぴょう性を帯びる「招き猫伝説」。地元球団への招福の期待も高まり、四季は「ぜひとも選手に頑張っていただき、オフになれば公演にご招待したい」と話している。

 「キャッツ」は、都会の街のゴミ捨て場に集まる猫の物語。お人よしで世話好きなおばさん猫、プレーボーイなツッパリ猫、カップルの泥棒猫、ピークを過ぎた娼婦(しょうふ)猫、かつて大スターだった俳優猫、マジシャン猫と、多彩なキャラクターが登場し、「メモリー」をはじめとするなじみのあるナンバーでつづるミュージカル。

 この日のけいこに出演した“猫”の1人、木村智秋(きむら・ちあき)は「大阪初演の場となった西梅田で再び、この作品を上演できるのはたいへん光栄。作品の感動をお客さまの心へお届けできるよう、出演者一同、全力で取り組んで参りたい」とコメントした。

 現在は来年3月31日公演分までチケットが発売されている。