【ライブレポート】藤井フミヤ、アルバム発売記念ライブで「ご利益があると思います」

藤井フミヤが7月13日に4年ぶりとなるニューアルバム『大人ロック』のリリースを記念したライブを渋谷 TSUTAYA O-EASTにて開催した。ライブはDAY TIMEとNIGHT TIMEの2回まわしで行なわれ、発売当日までにいち早くニューアルバム『大人ロック』をゲットした限定2,600人が会場に集結。フミヤの登場と共に満員のフロアから悲鳴のような歓声が湧き上がると、大人の色気と余裕漂う円熟のパフォーマンスでお客さんを魅了した。

◆藤井フミヤ 画像

19:30からスタートしたNIGHT TIMEのステージは『大人ロック』でも1曲目を飾るポップロック「この空の真下で」で幕を開けた。軽やかな足さばきでステップを踏みながら、艶やかな歌声を聴かせるフミヤ。バックバンドは沢頭尊志（G）、川渕文雄（B）、伊東ミキオ（Key）、大島賢治（Dr）という春のファンクラブ限定ツアーでもサポートを務めたメンバーとあって息の合ったグルーヴ感がとても心地好い。フミヤの「カモン！」の声で沢頭のギターリフが炸裂したロックンロール「GIRIGIRIナイト」、見事な開脚パフォーマンスやブルースハープの演奏でも魅せた「愛しいゴースト」など、この日も藤井フミヤはその一挙手一投足につい見惚れてしまうようなロックスターのオーラが全開だ。




この公演の模様はLINE LIVEでも放送されていたため、MCではカメラを覗き込み、「こんばんは。ここは渋谷ですよ。周りはラブホがいっぱいあります。キャーキャー言われてますが、こんなに多く相手にできません（笑）」と言って会場を笑わせた。ライブの中盤は美しいピアノの伴奏を添えて届けた「消えないキャンドル」や「命の名前」といったバラードナンバードが披露されると、会場はしっとりとしたムードに包まれた。2日前の7月11日には54歳の誕生日を迎えたことを告げると、会場からは「おめでとー！」の声。フミヤが「ロック（6×9）？」と問いかければ、お客さんは「54ー！」と全力でレスポンス。「大人になれてるかは……難しいところで。選挙には行ってきました。そういうところが大人になったかな（笑）」。フミヤらしいMCでも会場の空気は和んでいった。

B'zの松本孝弘が楽曲提供をした「エデンの起源」では「恋愛するのはこんなに危ないよ、という曲です（笑）」と紹介すると、“禁断の果実を～”と歌うフレーズで“実”を齧るようなジェスチャーで歌うフミヤ。アコーディオニストのcobaが楽曲を提供した遊び心溢れるアップナンバー「どっちでもいいよ」では、曲調に合わせていっそうキレの増したダンスが最高にかっこよかった。ラストの1曲は予告どおり撮影OKのサービスタイム。「待ち受けにしたらご利益があると思います。今日はありがとうございます。みんなのために……」と披露されたのは名曲「友よ」。昔話をつまみに古い友人と飲み交わすような温かいナンバーをアコースティックギターを弾きながら丁寧に歌い上げた。



ステージの去り際には「それではLINEをご覧のみなさん、また来週……来週ないし（笑）」と、最後までジョークで笑わせてくれたフミヤ。「またお会いしましょう。じゃあな！」と言って、颯爽とステージを後にした。40分のライブで『大人ロック』全11曲のうち8曲も聴くことができた贅沢なライブ。残りの曲は9月から始まる2年ぶりの全国ツアー「FUMIYA FUJII CONCERT TOUR 2016」でのお楽しみになりそうだ。

取材・文◎秦 理絵





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