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真冬のドイツ・ベルリンで11日間にわたって行なわれたベルリン映画祭。マーティン・スコセッシ監督によるローリング・ストーンズのドキュメンタリー『Shine A Light』(原題)で幕を開けた映画祭では383本の映画、リピート上映も含め1,256回の上映が行われた。映画祭を訪れている参加者は125ヶ国20,000人、その中にはおよそ4,200人の報道陣が含まれる。一般上映のチケット総売上は230,000枚以上というから、ベルリン映画祭の規模の大きさがわかるだろう。
だが、実際は映画祭の最中、プレスや映画関係者の間で話題になる作品は限られている。その作品が金熊賞を始めとした主要賞に絡むとも限らないところが映画祭のおもしろいところでもある。
今年のコンペティション部門作品は総じて小粒と言われ、これという決定打がなかったのが実情だ。ほとんどの人があらゆる映画賞を受賞、ノミネートを受けている注目作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を推していたが、来週に迫ったアカデミー賞に既にノミネートされている作品なので金熊賞とは考えにくかった。そんな中で評判が良かったのが、メキシコのフェルナンド・エインビッケ監督による『Lake Tahoe』。2004年のモノクロ映画『ダック・シーズン』が各国映画祭で評判を呼び、米ヴァラエティ誌の「注目すべき10人の監督」にも選ばれた。この『Lake Tahoe』は16歳の少年が家を出て初めて見る世界を瑞々しく描いている。37歳のエインビッケ監督は同じくメキシコ出身のガエル・ガルシア・ベルナルにも通じる笑顔の持ち主であり、「今年の映画祭で最もイイ男!」との声も。なお、エインビッケ監督はアルフレッド・バウアー賞を受賞した。
取材・文 平井伊都子
『Shine A Light』(原題) 2008年冬、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他にてロードショー予定
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 G.W.より シャンテ シネ他にて全国公開
『Lake Tahoe』(原題)
◆ベルリン映画祭関連ニュース (PCのみ)
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