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17日に閉幕したベルリン映画祭において、商業的な作品や、実験的な映画を集めたのがパノラマ部門といわれるセクション。実は、この部門に最も話題作が集中しており、マドンナの初監督作『Filth and Wisdom』(原題)やパティ・スミスの原点を追ったドキュメンタリー『Patti Smith: Dream Of Life』(原題)などがコンペティション作品以上の人気を集めた。また、イギリスのジョン・クロウリー監督(『ダブリン上等!』)による『BOY A』(原題)は、少年院から出所した少年が罪と共存していく日々を描いた秀作。「あまりにも痛々しく、軽々しく『いい映画だ』とは言いにくい」と変わった誉め方をされていた。主演のアンドリュー・ガーフィールドはすでにハリウッドでも注目されている新進俳優だ。
また、ベルリン映画祭らしい部門として、子供映画を集めたジェネレーション部門がある。ここでは子供を主人公とした映画が多数上映され、ブラジルの『シティ・オブ・ゴッド』から派生した『シティ・オブ・メン』(パウロ・モレーリ監督)や、スーパーモデルのジェマ・ワードが映画初主演した『Black Balloon』(エリッサ・ドーン監督)などが人気を集めていた。
だが、11日間の映画祭で最も話題に上っていたのは、映画祭に隣接して行われていたヨーロッパ・フィルム・マーケットで映像が初公開された、スティーブン・ソダーバーグ監督の『CHE』(原題)。革命家チェ・ゲバラの生涯を前後編で描く意欲作で、ゲバラ役にはベニチオ・デル・トロが扮している。噂では『CHE』は5月に行なわれるカンヌ映画祭に出品され、オープニングとクロージングに配されるのでは?と言われている。『CHE』を扱うフランスのセールス・エージェントの仮設オフィスは古い車とチェ・ゲバラの大きなポスターで飾られていたのも目を引いた。その売値の高さや映像のクオリティの高さが話題となっていたが、この作品は現在、日本での配給は決まっていないという。また、映画祭のクロージングで上映されたミシェル・ゴンドリー監督の『Be Kind Rewind』(原題)は「期待を裏切らぬおもしろさ!」と、長い映画祭を締めるにふさわしい作品だった。
取材・文:平井伊都子
『Filth and Wisdom』(原題)
『Patti Smith: Dream Of Life』(原題)
『BOY A』(原題)
『シティ・オブ・メン』
『Black Balloon』
『CHE』(原題)
『Be Kind Rewind』(原題)
◆ベルリン映画祭関連ニュース (PCのみ)
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