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横内謙介の代表作が韓国の演劇祭に正式招聘され、初日上演!
2008年05月07日 18時00分 [演劇]
扉座の代表作『お伽の棺』

外部でも多方面で活躍を続ける横内謙介が主宰する扉座の代表作『お伽の棺』が、第26回韓国全国演劇祭に正式招聘され、5月6日、韓国・仁川文化会館(小劇場)で初日の幕を開けた。1994年の初演時から照明と音響を使わずに、俳優が立てる物音とロウソクだけで展開する本作は、劇団はもとより横内自身にとってもこれが初の海外公演となる。機屋に籠もって美しい布を織ったのは異人の女であったとする横内版「鶴の恩返し」に、現地で行われたオーディションを勝ち抜いた韓国人キャストを迎え、劇中歌にも韓国の伝統声楽である正歌ソリを使用するなどのリメイクを施し、演劇も言葉や文化の壁を超えて感動を伝えられることを改めて確信させる会心の仕上がりを魅せた。

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物語は韓国正歌(ファン・スッキョン/歌)にのせて、俳優が舞台上のロウソクを灯すところから始まる。雪に閉ざされた寒村で行き倒れていた女(キム・ナムヒ)を見つけて自分の家に連れ帰った青年・善治(犬飼淳治)。その母・清(中原三千代)に余所者は災いをもたらすとして女を捨ててくるように命じられるが、次第にどうしても自分の嫁にしたいと懇願するようになり、反対を押し切るうちに、遂には母を殺めてしまう。罪悪感にさいなまれ、母の織る布を集めに来る隣人・嘉六(岡森諦)の目が気になる善治に対し、女は隠し続けるために嘘を付くように頼み、母の代わりに見事な布を織り上げて自分が異人であることを告白するが……。

善治を演じる犬飼のひたむきで、時に鬼気迫る演技は、揺れ動く青年の心を見事なまでに表現し、今回が初舞台となるキムは、感情の揺れと呼応して女が発する韓国語と日本語をとても自然に、さらに底知れぬ力を感じさせて、観客は知らぬ間に舞台空間に引き込まれていった。村のしきたりを守り息子を愛する清を体現する中原と、巧妙かつ軽快に嘉六を演じる岡森が確実な説得力をもたらしたこともその一因と言えるだろう。

作・演出の横内は異人の女役に韓国人キャストを起用すると共に、その台詞の多くを韓国語としたことで、本作における「鶴の恩返し」の鶴が異人だという解釈をより鮮明にする狙いを込めたが、これが見事なまでに効を奏した。また、場面転換の際に歌われる韓国正歌は俳優の息づかいが聞こえるほどの緊密な空間に更なる情感を込め、俳優が織り成す効果音は観客の想像力をかきたてて、前回上演時よりも明らかな効果を出している。今回の公演で彼らは日韓の文化交流の新たな側面を静かに、そして間違いなく確実に切り開いた。

公演は5月8日(木)まで同劇場にて、5月13日(火)〜14日(水)の釜山・キョンソン大学校 小劇場(釜山国際演劇祭正式招聘)を経て、凱旋公演が5月16日(金)〜19日(月)まで東京・テレビ朝日 多目的スペースumu(ウム)、5月21日(水)に神奈川・厚木市文化会館 小ホールにて上演される。

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