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戦後の日本で、日本のショウ・ビジネスを確立し、発展させた渡辺プロダクションの創業者、渡辺晋・美佐夫妻をモデルに、一組の夫婦の半生を描いたミュージカル『ザ・ヒットパレード』。2009年3月の再演に先がけて、10月22日、東京プリンスホテルで制作発表が行われた。
渡辺晋・美佐夫妻の娘であり、本作のエグゼクティブ・プロデューサーである渡辺ミキが「初演時の目標は、日本人クリエイターによるオリジナル・ミュージカルで、ブロードウェイミュージカルを凌駕するレベルのものを作ろうと。でも、初演時はこうやって再演の会見ができるとは想像もしていませんでした」とコメント。また、「(2007年夏)初演の時、初日後のパーティーでまさにこの時代のスターの方がたくさん来てくださった。自分が少し、大きな歴史と繋がった感覚があった」(脚本・鈴木聡)、「ショウビジネスが果たす役割を教えて貰ったような気がする、とても大切な作品」(演出・山田和也)と、スタッフもこの作品への思い入れはひとしおの様子。
一方、渡辺晋を演じる原田泰造は「はーらーだたいぞうです!」のいつもの自己紹介で会見場を和ませた後、「この『ザ・ヒットパレード』は日本の焼け野原で、日本のエンタテインメントを作るんだとがんばった夫婦の物語。本当に大好きな作品です。ひとりでも多くの人に観に来て欲しい」と語り、その晋を支える美佐役の戸田恵子は「先ほど初演の映像が流れている様を控え室で聞いていて、音の力はすばらしい、歌はすばらしいなと。それに比べて自分の台詞に愕然としました(笑)。再演はもっといい台詞をお伝えしたいと思います」と再演に向けての意気込みを語った。
この作品の大きな魅力のひとつは、昭和の歌謡史を彩った渡辺プロのアーティストによるヒット曲がふんだんに盛り込まれているところ。この日の会見では、クレージーキャッツ他を演じるRAG FAIRによるパフォーマンスも行われ、『ヒットパレードのテーマ』『木綿のハンカチーフ』などを披露。他に音楽を担当する宮川彬良、ザ・ピーナッツを演じる瀬戸カトリーヌ・池田有希子らがそれぞれ抱負を語った。特に今回の再演から参加する池田は、池田の父がザ・ピーナッツのマネージャーだったというこの作品との縁を感じさせるエピソードを明かした。
初演時には口コミで評判が広まり、公演の後半には立ち見・売切が続出。特に団塊世代からの圧倒的な支持を得たが、その理由について渡辺プロデューサーは「この作品は特別な一組の夫婦の話ではなく、観客の皆さんが自分自身の人生をそこに見いだせる、いわば普遍的な一組の夫婦の話」と語る。焼け跡から復興していった、"あの時代"のパワーを貰える作品であることは間違いない。
MUSICAL「ザ・ヒットパレード 〜ショウと私を愛した夫〜」東京公演は2009年3月5日(木)から25日(水)、ル・テアトル銀座にて。そして、今回初となる大阪公演は4月1日(水)から5日(日)、シアターBRAVA!で行われる。
取材・文:川口有紀 撮影:源賀津己
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