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クリスマスシーズンに突入するこの時期に行われる冬の風物詩、青山円形劇場プロデュース「ア・ラ・カルト〜役者と音楽家のいるレストラン」が今年も開店!(“開店”としたのは、舞台がレストランという設定で繰り広げられるショーであるため)ショートショートの芝居と音楽でつづる現在と同様のスタイルで20年前にスタートし、今年で20周年を迎えた。21日夜、青山円形劇場で行われた初日公演には、この空間をこよなく愛するたくさんの観客が詰めかけた。
青山のとあるビル3階にある、こぢんまりと居心地のいいフレンチ・レストラン「ア・ラ・カルト」。ここで働くのは、お調子者だが人のいいオーナー(白井晃)、ダンディでちょっと皮肉屋のギャルソン(陰山泰)、万年下っ端のもうひとりのギャルソン(高泉淳子)といった、20年前から変わらぬ面々。入れ替わり立ち替わりやってくる客たちは美味しい料理やワインとともに、彼らから心地よい(ときにドタバタな)もてなしを受け、お腹も気持ちも充たして帰ってゆく。客の側には常連が多い。ここでのプロポーズでめでたく結ばれた高橋(高泉)&典子(白井)カップル、離婚で別居し一年に一度ここで面会するお父さん(白井)&少女(高泉)、いつも閉店間際に訪れコーヒーとダンスを愉しむおじいちゃん(白井)&おばあちゃん(高泉)などなど……。
長年見続けている観客にとっては、懐かしい友に会ったような気分が味わえる。客同士、または店員たちとのやりとりから、それぞれの人生も浮き彫りになる。そこには笑いあり、涙あり。幸せそうな客が微笑みの裏に悲しみを抱えていたり、逆に寂しげな一人客の明日に優しくほのかな希望が見えたり。開店から閉店まで、このレストランで繰り広げられる人間模様は、まさに人生の縮図なのだ。……とはいえ、しんみりだけじゃ終わらないのが「ア・ラ・カルト」の良さ。これまたおなじみ、ペギー・富岡(白井)の妖しい(?)シャンソン・メドレーや、今年のゲスト、羽場裕一やROLLYも交えたショータイムでは爆笑の渦! この緩急織り交ぜたバラエティ感もまた“人生の縮図”たるにふさわしい。そして、音楽監督・中西俊博率いるバンドがジャジーでフレンチな音楽で一連の光景を彩る。芝居で、音楽で、作品全体の味わいで、存分に酔いしれることのできる極上の3時間。大切な人へのクリスマス・プレゼントとしてもぜひおススメしたい。
「ア・ラ・カルト」は、青山円形劇場にて12月26日(金)まで営業中。平日公演は全て、スペシャル・ゲストのROLLYも出演。
取材・文:武田吏都
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