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SF大作『地球が静止する日』のPRで、主演を務めるキアヌ・リーブスらとともに来日したスコット・デリクソン監督を直撃。作品の見どころを聞いた。
“宇宙からの使者”クラトゥは、地球を救うためにその手段として人類滅亡を計画する。自らの任務に忠実なクラトゥを演じるキアヌは、そのミステリアスな印象をそのままに、奇妙で複雑、そして魅力あふれる個性的な地球外キャラクターになりきっている。監督は「こういう役柄を、キアヌ以外に演じられる俳優はいないよね」とキアヌを絶賛。もちろん、彼が過去に出演したSF映画の数々と比較されるリスクがあったものの、「いかに差別化するかは大きな課題だったし、キアヌにとっては負担だったと思う。でも彼は非常にパワフルであると同時に、繊細なニュアンスをうまく表現してくれた。俳優としてとても挑戦的なアプローチでね」とその役者魂をたたえた。
『地球が静止する日』がこれまでのSF映画と一味違う印象を受けるのは、キアヌの演技だけではなく、監督のリアリティーを追求した演出によるところも大きい。前作『エミリー・ローズ』でも悪魔払い裁判を題材に、スリラーと法廷ドラマを見事に融合させた監督は「SFやファンタジー、それにホラー映画。そういった非現実的なものを描くジャンル映画に現実味をスパイスすることで、観客はもっと感情移入しながら楽しんでくれる。僕が目指すのもそんな映画だね」と語る。今作においては、科学的な描写はリアルに徹し、クラトゥを説得しようとする科学者を演じるジェニファー・コネリーにもリアルな演技を求めたそうだ。
そんな監督のこだわりは、早くも賛否を巻き起こしているエンディングにも垣間見える。「確かに意図的に論争が起こるような結末にしてあるんだ。観客ひとりひとりにいろんな解釈をしてもらい、あれこれ考えたり意見をぶつけ合ってもらえるようにね。そしてエンディングの先にあるもの、例えば今まさに起こっている世界的な問題について、これから人類はどうなるんだろうって考えてほしいんだ」とコメント。宇宙からの使者が人類に最後通告を突きつける映画『地球が静止する日』は、監督が人類に発する警告メッセージでもあるのだ。
『地球が静止する日』
公開中
取材・文・撮影:内田涼
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