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2008/2009シーズンより、ロシアの名匠アレクサンドル・ラザレフを首席指揮者に迎えた日本フィルハーモニー交響楽団。1月10日、11日に就任披露演奏会を行い、新時代の幕開けを華々しく飾った。
2日連続で行われた就任披露公演は、それぞれ異なるプログラムで新タッグの充実ぶりを披露。まず初日10日のサントリーホール公演は、ラザレフにとっては得意のチャイコフスキー作品から「戴冠式祝典序曲」と「バイオリン協奏曲」の2曲でスタート。そしてメインのドヴォルザーク「新世界より」で“新時代”「のファンファーレが如く堂々たるサウンドが炸裂。翌11日の東京芸術劇場公演は、リストの交響詩「レ・プレリュード」、続いてすでに幾度も共演しているピアニスト小山実稚恵とはリストの「ピアノ協奏曲第1番」、そしてラストは再びチャイコフスキーから「交響曲第4番」。いずれも緩急自在のテンポ、研ぎ澄まされたアンサンブル、極限まで絞り込まれた完成度の高さで、短期間にこれらを熟成させたラザレフの手腕は見事のひと言。日本フィルのホームページなどで、ラザレフがベテラン奏者も舌を巻くほどの徹底したリハーサルを行うことが明かされているが、演奏を聴けば成る程だ。
そして11日公演終了後には関係者を招いた記念パーティーを開催。首席ヴィオラ奏者・後藤悠仁が「とても清々しい気持ちで新年の演奏を終えることができて幸せ。これからも色々な曲で、色々な持ち味をマエストロと一緒に出していきたいです。“えっ! 日本フィルって凄いねー!”と思ってもらえる演奏が目標ですね」と今年の意気込みを熱く語った。
また大好きなお酒を断って公演に臨んだというラザレフも、公演の満足度が後押ししてか、パーティーではワインを何杯もおかわりとご満悦。「日本フィルとはとても良い演奏を、しかも楽しみながら出来るのが非常に気に入っています。次(のプログラム)はプロコフィエフ! もっと面白いものになるので、ぜひ会場に足を運んでください!」と次回公演もしっかりアピール。
その次回公演、1月16日(金)・17(土)にサントリーホールで行われる定期演奏会からは、延べ3年がかりの「プロコフィエフ交響曲全曲チクルス」がいよいよスタート。ラザレフはかつて音楽監督を務めたボリショイ劇場ほかでプロコフィエフのオペラも数多く指揮。この「プロコフィエフ交響曲全曲チクルス」は日本フィル首席指揮就任時に、実現に向け最も注力したプロジェクトだけに期待は高い。プロコフィエフ作品はいずれもかなりの難易度だが、日本のオーケストラがそれに挑戦することは非常に評価されて然るべき。これから蜜月を迎えることができるかどうか、ラザレフ&日本フィルの新たな船出に注目したい。
尚、「プロコフィエフ交響曲全曲チクルス」を含む今後のアレクサンドル・ラザレフ指揮公演は6月開催が予定されている。
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