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昭和のヒット曲を散りばめた日本オリジナル・ミュージカル、待望の再演
2009年03月06日 16時37分 [演劇]
MUSICAL「ザ・ヒットパレード 〜ショウと私を愛した夫〜」
ミサ役の戸田恵子(左)と、シン役の原田泰造(右)

渡辺プロダクションの創業者、渡辺晋・美佐夫婦の半生を描いたミュージカル「ザ・ヒットパレード 〜ショウと私を愛した夫〜」が3月5日、東京・ル テアトル銀座で開幕した。日本のショービジネスの基礎を作った夫婦の夢を通し、憧れや楽しさや温かさに溢れていた昭和という時代を、あの頃のヒットソングを散りばめて綴った本作は、日本人の心を強く揺さぶる日本オリジナル・ミュージカル。2007年の初演で大好評を得た作品の待望の再登場だ。

終戦直後、焼け跡の東京でジャズに魅せられたシンと、女子大生ながらバンドのマネージメントで名を馳せていたミサ。やがて結婚したふたりは、アメリカの物真似ではない日本の音楽で世の中を明るくしたいと願い、芸能プロダクションを設立、現在にも続く芸能界の基盤を次々と作りあげていく。その過程で生まれた名曲の数々……。懐かしいメロディがその時々の空気を伝える中、スーパー夫婦のチャレンジと、愛情や時とともに変化する友情の切なさなど、身近で普遍的な感情が、バランス良く描かれていく。

劇中で使われる懐メロは、ザ・ピーナッツ、中尾ミエ、伊東ゆかり、園まり、ザ・タイガース、沢田研二、キャンディーズから吉川晃司まで、その数50曲以上。誰もが口ずさめる昭和の名曲たちが、宮川彬良のセンス良いアレンジで数珠繋ぎに披露されるショーシーンは圧巻だ。子ども時代に流行った替え歌バージョンを盛り込む遊び心もニクい。

初演時、自然とまわりに人が集まってくる魅力を持ったシンを、笑顔とそのひたむきさで好演した原田泰造は、今回はそこに包容力をも加え、さらに一層大きな男となって帰ってきた。ミサ役の戸田恵子はさすがの歌唱力で舞台を締める。同時に、キャリアウーマンらしい明晰さをみせる一方で自分の魅力に不安を抱く女心を丁寧に演じる。ザ・ピーナッツ役の瀬戸カトリーヌと池田有希子は、歌はもちろんセリフや動きでも見事で愛らしいユニゾンを見せる。そして今回も、クレイジーキャッツなど数役をこなしながら効果音からシーンを繋ぐナンバーまで担当するRAG FAIRの6人の存在が、このミュージカルのオリジナリティと質を高めている。

物語終盤、升毅演じるシンの親友山崎は「ショーは上手な嘘」と口にする。だがその“嘘”が積み重なって、この素敵なミュージカルが生まれた。最後に歌われる、満天の星空の下の「スターダスト」が夢のように美しく胸にしみる。この新しい“上手な嘘”も、シンとミサが生み出したタレントたちや数々の名曲、シャボン玉ホリデーといった作品と同じく、観る者の心に長く残ることになるだろう。事実、初日の観客は皆、満足げなやわらかい笑顔を浮かべ、惜しみない拍手を舞台上に贈っていた。

公演は3月5日(木)から25日(水)まで、東京・ル テアトル銀座 by PARCOにて、その後4月1日(水)から5日(日)まで大阪・シアターBRAVA!で上演される。

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