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日常空間であるキッチンをモチーフに、3人の男女が織り成す穏やかで優しい日々と愛情を描いたトライアングル・ラブストーリー映画『キッチン 〜3人のレシピ〜』の公開(5月30日)に先駆け、3月31日、都内ホテルで、主演のチュ・ジフンとホン・ジヨン監督が記者会見に臨んだ。
自由奔放だが憎めないキャラクターである、フランス料理の天才シェフ・ドゥレを演じたチュ・ジフン。ドゥレは、自身の20代前半とそっくりだったという。「日常の些細なことに楽しみを見つけ、幸せを感じることが出来る。感情表現がストレートで、エネルギーもあり、そんなところが似ている」と感慨深げに語り、「幸せは大きなものではなく、小さなところでも見つけることが出来るということを改めて感じた」と述べた。
これまで“天才”という冠が付く役柄を演じることが多く、今回も“天才”シェフを演じることについては、「僕は天才ではありません。一人暮らしが長いので韓国料理ならほとんど作ることができます。フレンチを学ぶ十分な時間はなかったので、撮影で学んだのは、包丁さばきや手の動きなどの基本だけ」としながらも、一人暮らしに役立つ“収穫”を話すと、「あとは、後片付けが問題」と笑いを誘う一幕も。ドゥレのキャラクターについてホン監督は、「罪の意識を持たない、純粋な人物に」とジフンと話し合い、様々な演技パターンを提案しながらドゥレの人物スタイルを2人で創りあげた。「できる限り『演技をしよう』という気持ちで演じないように努力した」とジフンは当時を振り返った。
監督がドゥレのお気に入りシーンとして挙げた「駐車場でドゥレがセレナーデを歌うシーン」では、ジフンがフランス語の歌唱を披露している。「MP3を渡され歌うように言われて練習したが、出来ないと思った。監督はパリに留学経験があったので教わったがダメで、フランス語の先生を呼ぶことに。でも、最終的にはアフレコで撮りなおした」と、ジフン自らが恥ずかしいエピソードを告白した。監督は「とても難しいシーンだったが、ジフンさんだからこそ自然になった。私自身も彼のいい部分を引き出せた」とコメントした。さらに、「飛行機の中で一人むせび泣くドゥレの姿」をお気に入りに挙げ、「ジフンさんは自然に演じてくれた。彼をどこか遠くに手放してしまったようで哀しく、何度見ても泣きそうになる」とジフンの演技を絶賛した。
『キッチン 〜3人のレシピ〜』
5月30日(土)シネカノン有楽町2丁目、ヒューマントラストシネマ文化村通りほかで全国ロードショー
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