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蜷川幸雄が演出を手掛け、阿部寛、勝村政信、石丸幹二、池内博之、別所哲也ら錚々たるキャストが出演する舞台「コースト・オブ・ユートピア -ユートピアの岸へ」が、開幕を翌日に控えた9月11日、渋谷･シアターコクーンにて公開舞台稽古を行った。

「コースト・オブ・ユートピア -ユートピアの岸へ」は、映画『恋に落ちたシェイクスピア』などを手掛けたイギリスの劇作家、トム・ストッパードによる脚本で、2002年にロンドンで初演、2006年にはニューヨークで上演され、2007年トニー賞で主要7部門を制覇した作品。実在した19世紀ロシアの知識人たちを主人公に、理想を掲げ論争を交わし、行動を起こし、時に挫折する彼らの姿を30年以上にわたり描いていく大河ドラマだ。上演は三部制で、全編を通すと9時間に及ぶ大作となっている。

この日は、ロシアの若き知識人たちが理想社会実現の夢に燃え、西欧各地へ旅立った先での物語が展開するII部の1幕が公開された。仲間たちそれぞれが母国ロシアの未来を憂いつつ、違う考えを持ち、交わす論戦は圧巻。センターステージを客席が挟みこみ、観客はその舌戦を間近で味わうことができる。実力十分な俳優たちがほとばしるような熱演をみせ、難解さを感じる前に舞台に引き込まれる。気軽なエンタテインメントとは一線を画す、知的好奇心を刺激する作品だ。

公演は9月12日(土)から10月4日(日)まで、シアターコクーンにて。上演は3部構成で、1日で全3部を観る〈通し券(土･日･祝)〉、1日1部･3日間かけて観る〈セット券(平日)〉がある。チケットは現在発売中。

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