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2010年に日本公演を控えるイタリアの名門オペラハウス、トリノ王立歌劇場。その総裁を務めるヴァルター・ヴェルニャーノが来日し、9月15日に東京都内で記者会見を行った。
トリノ王立歌劇場は1740年創立。ミラノ・スカラ座よりも古い歴史を誇るイタリアの名門オペラハウスで、創立時の座席数2500は当時のヨーロッパで最大規模の収容人数だ。20世紀始めには巨匠アルトゥーロ・トスカニーニが音楽監督を務め、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を初演するなど、黄金期を迎える。その後、1936年の火災で劇場が焼失するも、1973年に現在の近代的な劇場を再建して復活。2007年からジャナンドレア・ノセダを音楽監督に迎え、新たな黄金期を迎えつつある。
今回記者会見を行ったトリノ王立歌劇場総裁ヴァルター・ヴェルニャーノは、現在のイタリア・オペラ界で最も長く劇場総裁を務めている人物。「トリノのあるピエモンテ州は、イタリアの中でも少し変わった気風のあるところで、継続性があり、忍耐強く、信頼性を重んじる傾向がとても強いです。トリノ王立歌劇場は(イタリアでは非常に珍しく)過去10年間でストライキなどによる上演中止が一度もないのですよ」と語った。
2010年の日本公演は、ナタリー・デセイ主演『椿姫』、バルバラ・フリットリ主演『ラ・ボエーム』と、現代最高峰のソプラノ歌手ふたりが競演。世界のオペラファン垂涎のキャストが実現する。総裁は、「我々は、すでに2015年までのプログラムを計画しているので、他の劇場よりも早い段階で超一流キャストを揃えることが可能なのです」と劇場の計画性の高さをアピール。またトリノ王立歌劇場の2009-10シーズンについて「今シーズンのテーマは『オペラは勝利するだろう』(*1)としました。昨今、経済危機や不安な世界情勢という時代にありますが、オペラは全ての人々のため、困難な時代を乗り越えるための力になれると確信しています」と力強く語った。日本公演でも素晴らしい上演という勝利を実現できるという自信もうかがわせた。
記者会見の後、六本木ヒルズで行われたイタリア政府観光局「ピエモンテの夕べ」では、トリノ王立歌劇場日本公演を記念した特別コンサートも開催。トリノ王立歌劇場メンバーによるピアノ・トリオがオペラ『椿姫』のハイライトを、同歌劇場日本公演『ラ・ボエーム』でムゼッタ役を演じるソプラノ歌手の森麻季がオペラ・アリアを披露した。
トリノ王立歌劇場日本公演は2010年7月開催。チケット一般発売は11月1日(日)より開始される。
(*1)オペラ『トゥーランドット』の有名なアリア「夜明け前には私が勝利するだろう」がモチーフ。
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