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記念すべきモナコ初の歌舞伎公演「松竹大歌舞伎 モナコ公演」の幕が、現地時間9月16日、期待を込めた拍手とともに開いた。会場となっているのはモンテカルロ歌劇場。パリ・オペラ座を設計したシャルル・ガルニエの手による劇場で、1879年のサラ・ベルナールによるこけら落とし以来数々の名作が上演されてきた。
パリ・オペラ座で大成功を収めたこともあり、初日前に行われた公開稽古には地元テレビ局などが詰めかけ、今回の公演にかかる期待の大きいことを伺わせた。彼らは一様に、團十郎と時蔵が息の合った演技のなかで歌舞伎の髄をみせる『鳴神』を賞嘆し、また海老蔵のスター性に驚いていた。
初日の公演には地元はもちろん、モナコで初めて行われる歌舞伎公演に日本からも多くのファンが駆けつけた。カーテンコールではスタンディングオベーションになったが、これは気取った観客の多いモナコでは珍しいこと。「本当に感動した証だ」と地元関係者も興奮を隠せない様子だった。
公演を終えた市川團十郎は、「皆さんのおかげですべてが順調に進み、地元の方に楽しんでもらえてなによりでした。スタンディングオベーションになったことに感動しました」と喜びを語り、今回の公演実現のきっかけとなったアルベール公との縁について「深いものを感じております。公演後のレセプションでお会いしたアルベール公は、本当に優しい方でお会いできて嬉しかった。今までの歌舞伎公演の中で国家の元首が出席してくれることほとんどないことですし、これも歌舞伎の成功のおかげではないかと思います」と感慨深い様子で語った。
中村時蔵は充実した顔を見せ、「モナコは大変美しく世界中のセレブが集まるだけのことはあると感じました。お客様もオペラを見慣れている紳士ということがあって、その反応や真剣な態度に心地よくお芝居をすることができました。オペラハウスは、さすが歌劇場だけあってその音響の良さも気に入りました」とモナコ公演初日の感動を語った。
市川海老蔵は、「国内でも海外の公演でも特に意識の差もなくストイックに取り組んでいる」としながらも「やはり海外での公演は挑むという感じが実際強く、学ぶことも多いことを実感しました。来年には自分が座頭として海外に挑戦する予定もあるので、モナコで歌舞伎を観て楽しんでくれた人が、また僕の公演を観に来てれたら嬉しいです」と述べた。
公演は19日(土)まで開催される。
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