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木村了ら若手俳優がメインで贈る現代版「赤と黒」が開幕
2009年10月02日 17時01分 [演劇]
木村了主演 舞台「赤と黒」が開幕
木村了主演 舞台「赤と黒」が開幕

美貌と才能を兼ね備えたジュリアン・ソレルの波乱の運命を描いて、今も世界中で読み継がれているスタンダールの名著『赤と黒』。その骨子に現代感覚で肉付けした21世紀バージョンともいうべき舞台が、10月1日、東京・赤坂RED/THEATERで幕を開けた。

若者特有の傲慢さと、同時に現代にも通じるナイーブさを持つジュリアン役に挑むのは、『オトメン(乙男)』などドラマを中心に活躍する木村了。その他、人気ユニットRUN&GUNの上山竜司、歌舞伎界の次世代を担う坂東亀三郎と、異色の顔合わせも見どころだ。

ナポレオンの時代が終わり、貴族社会が戻ってきた頃のフランス。貧しい生まれながら美貌と知性によって出世を目指すジュリアン(木村)は、レナール町長(坂東)のもとで家庭教師となる。ナポレオンに憧れるもうひとりの自分(上山)と対話しつつ、順調に仕事を進めるジュリアンだったが、ひょんなことからレナール夫人(上野なつひ)と深い仲に。町にいられなくなったジュリアンは神学校へと向かい、ピラール校長(本間ひとし)に連れられて、さらにパリへと渡る。そこでも持ち前の才覚を発揮した彼は、ラ・モール侯爵(池下重大)とその令嬢マチルド(富田麻帆)にまんまと取り入るが……。

ステージ上には前面と後方に多数の衣裳が掛かるパイプと、中央には斜めにキャットウォークが設けてある。前面の楽屋風の空間に、Tシャツ姿のキャストたちが入ってくるところから芝居はスタート。古典が原作ということで、いささか構え気味の客席もすんなり物語に入っていける仕掛けだ。

ジュリアン役の木村は、序盤の内向的な表情から、後半の運命に巻き込まれるまでを繊細な演技で表現。その内面を表す役どころの上山は、逆にキャラクターを大胆に作ることでメリハリを出した。貞淑の中にジュリアンに惹かれてゆく心情を表した上野、弾むような存在感の富田が印象的。小物ぶりが際立つ町長役の坂東のほか、スノッブを絵に描いたような侯爵役の池下ら、周囲を固めるキャストもバランスがいい。

「原作を下敷きに、台詞やストーリー展開を再構築した」(演出の赤澤ムック)という狙い通り、衣裳やセリフは現代のそれ。主人公の葛藤も、ナイーブな本来のジュリアンと、出世を目指す“もうひとりのジュリアン”を明確に分けたことで、より身近に感じられた。それはまさに、理想と現実のはざまで格差社会を生きる我々の姿だろう。

公演は10月11日(日)まで、赤坂RED/THEATERにて上演。

(取材・文:佐藤さくら)

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