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ミュージカル「蜘蛛女のキス」の製作発表が10月13日、都内にて行われた。南米の刑務所を舞台に、同房のゲイと若き政治犯の駆け引きと愛を描く異色のミュージカル。2007年に荻田浩一による日本オリジナルの新演出版として上演され、好評を得た舞台の再演だ。
原作はラテンアメリカを代表する作家、マヌエル・プイグのベストセラー小説。ストレートプレイ版、アカデミー賞も受賞した映画版を経て、ミュージカル版は1993年にブロードウェイで初演、トニー賞7部門を受賞した人気作だ。演出の荻田は「このミュージカル版は素晴らしく、楽曲も名曲揃い。でも原作の持つイメージと(華やかな)ミュージカル版はちょっと齟齬をきたすところがある。それをいかに原作の持つ繊細で深いテーマに近づけられるかが挑戦だった。もう一度作品を深めていく機会をいただけて嬉しい」と語った。
心優しきゲイのモリーナを演じるのは石井一孝。「生まれも育ちも葛飾区、一般的な日本人より男らしいと自負しています。しかも“女心がわからない選手権”があったら3位に入る自信がある(笑)。そんな僕が女性の気持ちにならなくてはいけない。すごく苦労した」と話す石井は、モリーナになるために稽古場でも「フリフリの稽古着をきて、髪に赤い“パッチン留め”をつけた」という裏話も。「2年たってちょっと忘れてしまったので、もう一回女心にたどり着くべくしごいてもらって、さらに磨いて、名作に恥じないように演じたい」と意気込みを見せた。
モリーナに次第に心を開いていく若き政治犯ヴァレンティンは浦井健治が演じる。「初演の時はこの大役に力みすぎて、男っぽい政治犯になるために、日焼けサロンに行ったりヒゲを生やしたり筋トレをしたりしていた」と苦笑するが、「この作品はとても特別な存在。今回はどんどん内面に向き合っていきたい」と決意も新たにしていた。
そして、モリーナが心の支えとする映画スター・オーロラ/蜘蛛女役には、金志賢が初参加。劇団四季で数々の大役を演じ、退団後も日韓で活躍する実力派だ。金は「こんなに素敵な役に選んでくださって感謝している。期待していらっしゃる方を失望させないようにしたい」とコメント。この日も劇中歌『KISS OF THE SPIDER WOMAN』を大迫力で披露した彼女に、共演者たちも「すごいキャリアを積んでいる同業者の人があの人は上手い、と口を揃えて言う。本当にすごかった。なかなかここまで身が震える歌は聴けない」(石井)、「噂にたがわぬパワー溢れる歌声に感動して魅了されてしまった。負けじと頑張らなきゃと身が引き締まる」(浦井)と大絶賛していた。
公演は2010年1月16日(土)から18日(月)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、1月24日(日)から2月7日(日)に東京芸術劇場 中ホールにて。チケットは10月18日(日)に一般発売開始。尚、@電子チケットぴあでは、先行先着順販売「プリセール」を10月16日(金)23:59まで実施している。
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